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カムイトランスストレージ

排ガス規制をクリアした欧州車を導入。CO2削減にも尽力している  

本州エリアの拡大に成功。新分野の輸送業務も好調

北海道産食品の人気が全国で高まっている。ジャガイモ、玉ねぎ、にんじんなどの道産野菜も人気が高い。「カムイトランスストレージ」は、道産野菜をはじめとする食品を全国へ輸送している企業だ。

取扱品目は野菜のほか、冷凍食品や精肉、鮮魚など多岐にわたる。保有する車両のほぼすべてが輸送温度の変更が可能で、ドライ、チルド、フローズンの3温度帯に対応。年間1万㌧以上の食品を道外へ運んでおり、道産品の全国流通に大きく貢献している。

竹山弘基社長は「これまで輸送先は関東や北陸がメーンでしたが、今年7月からは関西、山陰エリアへも範囲を広げていきます」と話す。こうした業容拡大を支えるのが〝スピーディーな輸送〟と〝本州ネットワークの構築〟だ。

その一例が、車両の点検整備や修理、車検を自前で行っていること。夜間の故障など、緊急の場合でも修理工場が開くのを待つ必要がなくなり、鮮度が重要な食品輸送業務に支障をきたすことがない。

2021年には、自社工場が国土交通省北海道運輸局札幌運輸支局の認定を取得。物流企業が認証を受けるのはきわめて稀だ。日々のメンテナンス強化で故障を未然に防ぎ定期輸送を厳守、顧客の強固な信頼を獲得している。

本州の協力企業も多い。近年は輸送拡大のため、さらなるパートナーの掘り起こしにも着手。道外エリアの事業拡大につなげている。

また、食品以外の分野の強化も図る。21年からは、海上コンテナ輸送事業にも参入した。苫小牧や北広島エリアが活動拠点となるこの分野の拡大に伴い、今夏には北広島市内に新たな営業所も開設予定。来年には、苫小牧市内にも営業所開設を計画している。さらに、大型港湾がある北関東への営業所設立の構想もあり、業務の拡大と効率化を図っていく狙いだ。

業容拡大の一方で、SDGsへの取り組みも特筆される。20年からは、厳しい排ガス規制をクリアした欧州車を逐次導入中。欧州諸国では、大型トラックのCO2排出量を「2040年以降は90%削減」を目標に掲げ、排ガスを抑制する車両が開発されている。

「CO2削減に先進的な欧州車を導入することで、環境問題に寄与できればと考えました。顧客ニーズに応えるとともに、環境配慮で社会から必要とされる企業でありたい」と竹山社長。

 

北広島市に開設予定の営業所
竹山弘基社長