セーフティーステップ
新卒採用の大幅な増加で足場業界をリード
半導体工場などのインパクトのあるニュースが目立つ建設業界だが、住宅着工数は3年連続で減少傾向だ。職人の高齢化や人手不足、コスト高など生き残りをかけ課題は多い。
こうした状況下で職人採用育成で注目を浴びているのが、仮設工事の「セーフティーステップ」。設立25年を迎えた同社は、建設現場に欠かせない足場、とりわけクサビ式足場の施工実績で年間8000棟を超える規模を誇る。
クサビ式足場は、建物の形状に合わせ柔軟に対応できるのが特徴で、施工する職人には法規制に沿った安全で使い易い足場を組む知識と技術が求められる。
同社も職人の中途採用などを行っていたが、劇的な変化を遂げたのは2022年に専門の人材開発部を設置してからだ。高卒者を中心に23年に3人、24年に17人、来春も7人を内定しており、しかも退職者ゼロというから驚く。
「自社に選任を置くことで個々に対するコミュニケーションを重視し、採用後もしっかりフォローをする。彼らの成長が当社の最大の強みになるはず」と高木茂光社長は自信を深める。
こうした人材確保はもちろん、事業拡大への投資も積極的だ。最大のセールスポイントは、日本でも最大級の規模を誇る石狩機材センターだが、足場材をはじめレンタル事業で好調の敷き鉄板なども増強している。
元来、戸建て新築やリフォーム現場を主としてきたが、ここ数年で顧客もゼネコンや大手建設会社が増え現場の規模も大型化。今期もフル稼働状態が続いている。
高木社長「まずはお客様のご要望に応え続けることで信頼を勝ち取っていく」と語る。
現在、グループを含め全国に8拠点を展開しており、今後も増える見通しだ。クラウド上に置く情報管理システムでは日々各拠点のデータが蓄積される。こうしたDX化にも目を向け、組織としての運営効率を強化していく考えだ。