スカイテクト
「水平型」と「垂直型」の多角化戦略で拡大
「スカイテクト」は、高圧受変電設備工事や仮設電気工事が主事業。なかでも電柱と住宅などをつなぐ引き込み線工事を得意としており、年間の工事件数は4500件以上に上る。近年は電気設備事業を軸とした多岐にわたる事業を展開。〝水平型〟と〝垂直型〟の多角化戦略で、多様化する社会ニーズに対応している。
髙橋守留社長は「事業は1本の柱だけではなく、複数の柱を作っておくことで柔軟性が生まれ、時代の変化に対応することができます。それぞれが独立採算で管理されているのでリスクヘッジにもなる。事業の多角化は安定した経営基盤の確立につながると考えています」と話す。
この言葉を裏付けるように、2023年には酸素カプセルメーカー「タイムワールド」(本社・東京都中央区)と販売代理契約を結び、酸素カプセルの販売を手掛けている。
主力商品は1~2人用の「T‐2R」。幅や奥行きをカスタマイズできる組み立て式のカプセルで、福利厚生の充実を目的とする企業ユースのほか、ホテルやスパ施設などからの引き合いが多いという。
6月18、19日には、アクセスサッポロ(札幌市)で開催された電気設備資材展示会に出展。さまざまな企業から注目を集め、認知度向上にも成功。多数の見積もり依頼が舞い込み実際に受注にもつながった。現在、沖縄リゾート開発の案件でも導入の話が進んでおり、実現すれば26年に開業する複数棟のホテルに導入されることになる。
今後は販売に加え、組み立てまでをパッケージ化して同部門の強化を推進していく方針という。「人材流出防止の目的で、福利厚生を手厚くする企業も増えています。酸素カプセルは、生産性の向上や睡眠不足解消などの観点から、福利厚生費などで経費申請が認められています」と髙橋社長は自信を見せる。
一方、18年に参入した風力発電事業は、電気設備企業のノウハウを生かした新事業だ。風車内部の電気配線工事や風車動力のための建柱から送電工事を担っている。
23年からは、陸上風力の国内最大規模を誇る「芦川ウインドファーム」(天塩郡豊富町)の建設工事にも参画。同工事は今秋にも工事が完了する。26年には、道南地区での大型発電所建設工事にも参画も予定している。
「風力部門の売り上げは、6年間で3倍強に伸長しています。今後もさまざまな多角化戦略で、事業を拡大していく」と髙橋社長。