ほっかいどうデータベース

アムテック

配管や鋼材の溶接や接着は繊細な技術が求められる

事業拡大と業界発展を同事に推進する

「アムテック」は、配管工事をメーンに冷暖房や給排水衛生設備工事など、年間で150㌧以上の配管を組み上げている。

 札幌都心の複合施設「さっぽろ創世スクエア」や「北海道ボールパーク」の配管設備を手掛けるなど、大型物件を数多く担っているのが特徴。直近でも「ココノススキノ」の配管工事、「丸井今井札幌本店」の給水管の更新工事を実施した。

 島田清光社長は「3年前からは、配管工事のノウハウを生かして自社工場で配管加工や部品製造も手掛けています。製造・加工から施工までを一貫することで、工期の短縮にも成功しました」と語る。

 好調な業績を受けて、社内基盤の強化も推進している。

 来春には自社工場の増設を行う。敷地面積は現在の1・5倍となる予定だ。また、年内には新たな配管機器や溶融亜鉛メッキなどの製造を手掛けるシーケー金属(本社・富山県)社製の「パイプシェーバー」の導入も計画している。

 パイプは、錆防止のために亜鉛メッキで表面が加工されており、溶接時に亜鉛メッキを手作業で取り除く必要がある。加えて、溶接部分の強度や品質を確保するため、溶接前に材料接合部の端面を適切な形状に削る〝開先加工〟も必要となる。

 そこでパイプシェーバーを活用することにより、パイプ内外面の亜鉛や黒皮除去と開先加工を完全自動化できる。大幅な作業時間の短縮が可能となる。

「受注量の増加に対応するためには、生産のスピードアップが必要不可欠です。また、マシンの導入は溶接不良などの不良率減少にもつながるため、顧客満足の向上にもなると考えています」と島田社長。

 事業拡大の一方で、業界全体の発展にも目を向ける。島田社長は、今年2月に北海道配管事業協同組合青年部会長に就任。目下注力しているのは、建物の建築に関わるさまざまな業者が協力し合う〝集団的な動き〟の強化と推進だ。

 9月6日には「札幌電気工事業協同組合」や「北海道板金工業協同組合」など、7つの工業組合青年部団体と意見交換を実施。80人以上が集まる大規模な会となった。

 異業種の生の声を聞き、情報を共有して業務を効率化することで、建築業界の底上げにつなげることが狙いだ。今後は同会の開催頻度を高めて、参加団体数も増やしていくという。

「若年層への認知度向上や技術継承など、配管工事業界の発展にも注力していきます。自社を成長させると同事に、業界が抱える問題にも切り込んでいきたいです」と島田社長。

 

島田清光社長
自社工場内ではさまざまな機械を保有来春には増設も予定