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西野学園

播種、苗植えから収穫までを体験するフィールドワーク授業

農福連携で障がい者、地域に貢献。道ともタイアップ

 2つの幼稚園とアフタースクール、3つの専門学校を札幌市内で運営する「西野学園」。来年に創立60周年を迎える学校法人だ。

 運営する専門学校はすべて職業実践専門課程の認定校で、医療・福祉系人材の養成に特化。抜群の国家試験合格率と就職率を誇る。

 教育機関として、常に時代に応じたカリキュラムを提供し、社会と学生の双方のニーズに即応してきた。例えば「札幌心療福祉専門学校」では労働力や担い手の不足、高齢化など1次産業が抱える課題解決に向けた国策である「農福連携」にいち早く着目し、2021年から農福連携コースを開設。23年には道内唯一の専門コース「農福連携ソーシャルワークコース」を設置している。

 熊谷修司校長は「国策として障がい者の就農が促されています。農業を基幹産業とする北海道の専門学校として、当校では農業の知識を有するソーシャルワーカーを養成しています」と話す。

 今年4月には「令和6年度農福連携入門講座」が、北海道との協働事業として道から採択された。学生と一般向けに開講する講座で、全8回のうち、5回以上の受講で北海道保健福祉部・農政部から修了証が授与される。講師は同校教員のほか、農園運営者や農福連携の企業コンサルタント、福祉事業管理者、野菜の卸売業者、料理人など各分野の専門家が務める。

 すでに3つの講座が終了しており、同校の学生はもとより、農家や障がい者施設のスタッフ、小学生、高校生なども受講している。

 産学官が連携した私学の農福連携プロジェクトが、自治体とタイアップする事例は全国的にも珍しい。今後も前例にとらわれない取り組みで学生・社会に貢献していく。 

熊谷修司校長
札幌心療福祉専門学校