日本アクセス北海道
好調持続で増収増益。組織体制の改革にも着手
「日本アクセス北海道」は、売上高2兆円を誇る総合食品卸大手「日本アクセス」グループの1社だ。
2023年度の業績は、売上高が1025億5900万円(新収益認識基準)と初の1000億円台に到達した。カテゴリー別ではドライ、チルド、フローズンのすべてが伸長し、増収増益となった。
黒沢忠寿社長は「昨夏は暑い日が続き、アイスなどのフローズン事業が特に好調だった。コンビニの売上高がコロナ前を上回り、人流増を実感している」と分析する。
組織体制の改革にも着手し、今年4月にはロジスティクス戦略室を新設した。物流分野のさらなる効率化を目指し、道内各地の拠点再編などに目下取り組んでいる。
道産原材料を主に用いた開発商品の売上高は、4億4000万円と目標の4億円を上回った。直近でも、冷凍コロッケ「カズチークリーミーコロッケ」やアイスの「北海道塩キャラメル味」などを新たに発売。好調に推移し、次期は5億円を目標に据えている。
また、SDGsへの取り組みやBCP対策にも注力。EV車2台、ハイブリッド車18台のほか、5月には移動型電源車を3台導入し、停電時にも電源供給ができるよう体制整備を進めている。
フードロス削減に向けては、発注精度の向上などに取り組む一方、フードバンクなどの寄贈の商品幅を拡大。持続可能な社会の実現に向けて、さらに歩みを進めている。
黒沢社長は「グループの経営方針テーマは『変革と挑戦、そしてスピード』。道内ではスーパー業界の再編が始まっており、負けないスピードで進化し続けなければならない。来年は合併・設立25周年で、新たな中期経営計画も策定します。売上高1050億円を目指して走り続けたい」と先を見据える。
その一歩として、8月2日には札幌市内のホテルで展示商談会の開催が控えている。食品メーカーなど、150社以上が出展する見込みだ。