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宮坂建設工業

日本初の水素ジェットヒーターの実証実験に成功

先駆的なカーボンニュートラルや防災活動で地域に密着

 道東最大手のゼネコン。土木・建築の両輪でインフラ整備に携わり創業102年目を迎えた。2023年度の道内ゼネコン受注高ランキングで第6位、道内企業では第2位と好調を維持する。

 今年2月には宮坂寿文社長が「23年度北海道産業貢献賞」を受賞。長く業界の発展に努めたことが評価された。

 国や道が進めるカーボンニュートラル対策にも積極的で、今年2月には日本で初めての「HydroH2eat(ハイドロヒート)」の実証実験に成功した。暖房器具のジェットヒーターに水素燃料を用いることで建設現場のCO2排出を削減。化石燃料と異なり無臭で不完全燃焼による一酸化炭素中毒も無いなどのメリットがある。十勝の牛のふん尿由来のカーボンニュートラル水素を用いることでエネルギーの地産地消にもつながる。今冬には一部の現場に導入され、実用化に向け再度実験を行う計画だ。

 また〝防災企業〟として24時間体制を確立。迅速な災害復旧活動や啓蒙・普及活動で「防災の宮坂」とも呼ばれる。

 95年から続く「親子防災教室」は、今年も7月20日に700人規模で行い、9月11日には「第32回地域防災訓練」を5000人規模で開催を予定している。

 昨年末には「とかち広域消防事務組合」に消防資機材搬送車1台を寄贈。3月には帯広市から道内第1号の水防協力団体に認定された。今後は地元の水防団と連携し、啓発活動や災害からの復旧に従事する。

 さらに、従業員が働きやすい環境づくりにも力をいれており、定期的に給与や待遇の改善を行っている。新年度から全社員の給与を定期昇給とベースアップ合わせて5・5%の賃上げを実施。新たに奨学金返済支援制度も開始した。今後も引き続き、時代に即した制度の導入や新たな施策を続けていく方針だ。

宮坂寿文社長(右)は「北海道産業貢献賞」を受賞した
23年12月に、とかち広域消防事務組合に消防資機材搬送車を寄贈