【今月号特選記事】凍結中のMICE併設計画 パークホテル建て替えの青写真は変更?

 MICE施設とは大規模な国際会議や展示会などを実施できる建物のこと。秋元克広札幌市長が2015年の選挙で公約に掲げ、建設場所を検討してきた。

 当初はホテルが集積する大通公園西側の「さっぽろ芸術文化の館」(中央区北1条西12丁目、旧北海道厚生年金会館)跡地が有力とみられていたが、18年に札幌市中央区の中島公園に隣接する「札幌パークホテル」の敷地内に整備する方針へと舵を切っていた。

 MICE施設の整備を予定するパークホテルは「グランビスタホテル&リゾート」(東京)が所有し運営。同社は市内中心部の札幌グランドホテルも所有しており、15年にフジサンケイグループの「サンケイビル」(東京)が買収し連結子会社となっている。

「MICEを含めたパークの一体再開発については手続き上、グランビスタが施主になるが、親会社・サンケイビルの意向が強く反映されている。札幌市とのやりとりもサンケイ側が行っている」(市に精通している不動産関係者)という。

 札幌市がコロナ蔓延前の19年に発表したMICEの概要は以下の通りだった。建物は地上5階、地下2階建て、敷地面積は約2万平方メートル、延べ床面積は約3万2400平方メートル。2000平方メートルのメーンホールや3600平方メートルの展示場などを備える。施設全体で5000人が収容できる規模だ。

秋元克広札幌市長 ©財界さっぽろ

 パークホテル自体も老朽化が進んでいることから、MICE施設との一体で再開発構想が進められてきた。まず敷地の北側に位置する駐車場スペースにホテルの新館を建て、その後、現ホテルを取り壊し、MICE施設を建設する。

 MICEとホテル新館は共用通路などで連結させる。MICE施設自体の事業費は約340億円。グランビスタ、サンケイ側が建設し、完成後に市が一括で買い取るスキームだ。開業時期は当初、ホテルの新館が23年度、MICE施設については26年度を目指すとしていた。

 しかし、コロナ禍で宿泊業は大打撃を受け続けている。サンケイ側はコロナ拡大後、市に「事業の再検証を実施したい」との旨の申し出を行った。昨年1月に市とサンケイとグランビスタの3者は「23年3月までに事業再開の可否を判断する」という覚書を締結。MICE計画は凍結された。

 事業凍結が決まって以降、複数の関係者から「サンケイ側の意向で、パークホテル自体の建て替えの青写真が変更される」との話が漏れ伝わってくる。月刊財界さっぽろ2022年2月号では、パークホテルの新たな青写真やサンケイ側の思惑などを報じている。全国の書店で取り寄せ可能なほか、当社オンラインショップからも購入できる。お買い求めは以下のリンクからどうぞ。

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