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朝日田コーポレーション

累計研修受講者は8万5000人超に及ぶ

松下幸之助の経営哲学で企業発展のきっかけを

 経営コンサルティングや社員教育研修などを通じて、企業を支える「朝日田コーポレーション」。〝経営の神様〟松下幸之助が創設したPHP研究所で勤務していた朝日田雄人社長が、「松下幸之助の経営哲学やものの見方、考え方を伝えたい」との思いで1997年に創業した。

 四書五経の一つ、易経文言伝から引用した「利は義の和なり」が経営理念だ。松下幸之助が初めて作成した綱領「営利と社会正義の調和~」において示した「社会正義、正しいことの積み重ねが営利につながる」と意味は重なる。

 顧客は、国内大手企業から中小・零細企業まで多岐にわたる。リモートも含めると、全国で例年150回前後の研修を行っており、累計受講者は8万5000人を超えている。

 朝日田社長には、経営者は会社の理念を社員に語るべきだという考えが根底にある。利益や目標も大切だが、企業の目的である理念やビジョンは最も大切なことだと捉えている。

 理念を共有することで社員が仕事を〝自分事〟にすることができれば、チームとして同じ目標を目指せるようになるという。

 朝日田社長は「経営者は、自分たちの仕事には価値があるということを社員に理解してもらう必要があります。そして、従業員満足を追求するという責務もあります。例えば、期末賞与として利益を還元したところ、社員のモチベーションが格段に上がり、人材の流出防止にもつながった会社もあります。社員が幸せになる会社を目指してほしいです」と話す。

 一方で、コンサルや研修などで強調しているのが「対話」の重要性だ。アメリカ式のディベートではなく、相手を尊重しながら物事を決めていくのが日本の文化。成功している経営者は、対話を大切にしているという。

「関係性を高めるための雑談は必要だが、対話のポイントはそれを目的・ゴールに向かって行う事です。ただ対話すれば良いわけではありません。相手の気持ちを尊重することで『どうしたら問題が解決するか』といったように気持ちは前に向く。こうして社員間の関係性が良くなれば発展的な考え方ができるようになる。これが企業が大きく発展するきっかけになります」と朝日田社長。 

朝日田雄人社長
同社が推奨する組織の成功循環モデル図