渡邊清掃

〝地域課題解決〟が理念。インフラ維持に加え、魅力創出へ踏み出す
〝地域課題解決業〟を標榜し、目標11「住み続けられるまちづくり」の実現を目指しているのが「渡邊清掃」だ。別海町と標津町で一般・産業廃棄物収集運搬や処理、上下水道施設のメンテナンスを手掛ける。1985年の設立から地域の生活を守ってきた。
近年は、インフラを支える地元企業を後継者不足から救うためにM&Aにも注力し「NOCグループ」を形成。グループ7社の中核企業となっている。
グループ各社では、廃棄物系バイオマスのリサイクルや、橋や道路の補修工事、地域創生など幅広い事業を展開。ワンストップで住民サービスを提供し、〝社会へのお役立ち日本一〟を目指している。
藤本達也社長は「住民が最後の一人になってもインフラを守り抜くために、揺るぎない企業力をつけなければなりません。そのためには全国展開も視野に入れ、M&Aを積極的に進めていく」と話す。
さらに、昨年9月には藤本社長が代表となって「一般社団法人テトラソリューション」を設立。活動の根底にあるのは過疎化が進む別海町の町興しで、持続可能な地域社会づくりと経済成長を目指す。
活動の第一歩として11月にはプロ野球チーム「別海パイロットスピリッツ」を立ち上げた。別海町を本拠地とする日本最東端のプロ野球チームで、今年5月から北海道のプロ野球独立リーグ「北海道フロンティアリーグ」に本格参戦する。
「〝地域とともに未来を開拓〟をチームスローガンに、子ども野球教室など、イベントへのボランティア参加も積極的に行っていく」と藤本社長。
チームの運営費は、球団応援プログラムで募った寄付金や企業版ふるさと納税、ファンクラブからのサポート費用によって支えられ、遠征費や練習施設費として活用する。
テトラソリューションでは現在、ホテル事業も進行している。
「野球の試合観戦の需要を見込んでいます。別海町の宿泊施設不足の解消に加え、地元の飲食店にも波及効果が見込まれる。ホテル自体が雇用を生み出すこともできる」と藤本社長。
今後は、選手のほかに球団関係者などの移住者増や関連する新たなビジネス需要の発生を喚起。地元企業や自治体と連携して雇用の創出や若者の流出防止で人口減少問題の解決も目指している。
藤本社長は「地域に魅力を作るのは地元に生きる私たちです。自治体や地元企業の皆様の協力があって、よりスピーディーでダイナミックな挑戦が可能となりました。地域のコミュニティを守るとともに、ポジティブな空気を作り出したい」と話す。

