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道民防災コンサルタント

日頃からの防災訓練を行うことで災害時のパニックを防ぐことができる

「防災のプロ」ならではの視点で防災対策を最適化

「誰一人取り残さない社会の実現」は、日常に限ったことではない。日本は地震や台風といった自然災害に加え、北国における寒冷・積雪による被害も想定される。こうした災害に備えるための啓蒙活動を積極的に行っているのが「道民防災コンサルタント」だ。

 多数の防災士が在籍し、企業やマンションなどに対する避難訓練の指導、防災に関する相談およびコンサルティングの提供と防災に関わる商品を提案している。

 前田博文社長は「SDGsの観点から言えば、災害時に重要な役割を果たすのが町内会です。近年は町内会の存在が希薄になっていますが、近隣の人たちで力を合わせることが大変重要となります。また、地域に根ざす企業の力も必要です。地域を支えることは、企業にとって社会的役割の1つではないでしょうか」と語り、企業や町内会単位で防災意識を高めるゲームも推奨する。

 各自治体で用意している避難所運営ゲーム北海道版(愛称:Doはぐ)のほか、市販されているゲームも複数ある。要望に合わせたアドバイスや提案も行っており、ぜひ活用していきたいものだ。

 近年は、SDGsやCSR(企業の社会的責任)、BCP対策など企業に求められる役割が増加。防災に対する意識も高まっており、専門部署を設ける企業も増えているが、対応に苦慮するケースも多い。要因は、各企業の防災担当者の情報不足からだという。

 前田社長は「避難訓練では『逃げる』ことを目的にすると『行った』『達成した』で終わってしまいがちです。何ができなかったのかなど、担当者が課題を見極めて実践的な対策を取らなければ意味がない。災害時の避難、その先にある事業や社会活動の再開につなげるためには、一人ひとりのマインドチェンジが必須です」と警鐘を鳴らす。

 一方で、防災用品を備えているだけの企業が多いのも実情だという。

「使い方が分からない、または実用性を見いだせなければ、宝の持ち腐れになってしまう。例えば、子どもにとってヘルメットが重くて、避難時の負担になることもある。当社では、段ボール製の軽い避難用ヘルメットを提案していますが、何が最適かを防災のプロに相談するのも1つの手です」と前田社長。

 

段ボール製折りたたみヘルメット「かぶっと」は収納もコンパクト
前田博文社長