道民防災コンサルタント
災害時のパニック防止のために日々の防災訓練を推奨
「消防用設備が整っていても、いざという時に使えなければ意味がない。日頃の防災訓練がとても大切です」と訴えるのは「道民防災コンサルタント」の前田博文社長だ。
同社は、消防用設備などの点検をメーンに事業を展開する一方、顧客に対し無料で防災訓練を行っている。前田社長を筆頭に「防災士」の資格を有する従業員が多く在籍しており、これまでに200カ所以上で訓練を実施している。
訓練では、消火器や消防設備の操作訓練から、避難経路の確保、AEDの操作方法や自力で動けない人を避難させる搬送法までレクチャーする。
前田社長は「災害時のパニックを防ぎ、防災設備を最大限に活用できれば、安全に避難できる確率が増します」と訓練の必要性を話す。
しかし、防災訓練だけでは完璧な準備とは言えない。備蓄品の準備も重要だ。同社では数百点以上の防災用品を取り扱っており、ニーズをくみ取った商品の提案も行っている。
近年人気を集めているのが、セインエンタプライズ(本社・東京都)の「サバイバルフーズ」。25年間長期保存が可能なフリーズドライ加工食品で、カレーやシチューなど6タイプを用意。製造は食品メーカー大手の永谷園(本社・東京都)が担っており、お湯を注いで5分、水なら10分待てば食べられる。
「通常の備蓄食は5~6年で買い換えが必要です。サバイバルフーズは、25年間買い換え不要なのでコストの削減にもなります。また、主食以外にもサプリメントや野菜ジュースなどの備蓄もしてほしい。むやみに揃えるだけではなく、健康面を考えた備蓄を意識してみてください」(前田社長)
一方で、点検事業の強化も推進。顧客への非常時対応の機動力強化を目的とした社内のDX化を進めている。
9月からは、DX支援のテックファイター(本社・札幌市)との協業で、消防用設備の点検管理システムを導入した。点検情報をWebで一元管理することで大幅な業務効率化に成功。1日当たりの点検可能件数が増加したという。
「作業が効率的になり、防災訓練へ割ける時間が増えました。現状の防災対策に不安を抱いている人は、どんな事でも気軽に相談してほしい」と前田社長。