トーシン
利用者目線の仕掛けで地域密着型の店舗を創出
カプセルトイ専門店「#C‐pla(シープラ)」の運営を主軸とする「トーシン」。2018年に1号店をオープン後、商業施設内を中心に全国に拡大を続けている。今年9月には岡山県、10月には徳島県に新規出店。四国エリアの初進出を飾り、店舗数は25都道府県172店舗となった。
さらに、首都圏攻勢を強化。既存店の「渋谷センター街店」(東京都渋谷区)と年内にオープン予定の「新宿店」(東京都新宿区)、来春オープン予定の「横浜駅前店」(神奈川県横浜市)の3店舗を旗艦店に位置づける。渋谷センター街店は1フロアを増やして床面積を1・5倍に拡大。初出店となる新宿、横浜駅エリアでもさらなる事業拡大が期待される。
同社は地域密着に重きを置く。運営店舗では、地域の特産品や地名などに沿ったテーマを設定し、店舗デザインを行っている。店舗装飾はこれまで外注先に依頼していたが、業務用印刷機とカッティングマシンを導入し、9月から内製化している。
宮本達也社長は「新規出店では内装などのスケジュールがタイトな場合があります。ラッピングを内製化したことでシートやステッカーの調達のコストが10分の1になり、出店スピードも加速できる」と話す。
また、オリジナルのフォトフレームで〝映え写真〟が撮影できるブース「C‐pit(シーピット)」やデジタルサイネージの導入など、客が楽しめる仕掛けを取り入れた。先進的な店舗運営が注目されている。
店舗数の増加に伴い、従業員数も増加。社内改革を推し進める中で、8月にはチャットGPTの法人契約を行うなど、積極的にAIの活用に取り組んでいる。また、チャットGPTとAPI連携をした売上管理システムの開発や社内規定の一元化など、複数のプロジェクトを同時進行させている。
一方、新たな業態として11月には原宿竹下通り(東京都渋谷区)で〝推し活専門店〟をオープンする。ペンライトやアクリルスタンドなどのグッズ販売のほか、今後はカプセルトイのディスプレイケースなどの関連商品の販売やコラボグッズの開発も企画している。
宮本社長は「既に決まっている新規出店もあり、200店舗達成は見えてきました。今期は〝200億円企業〟を目指しています。時代の流れに沿って、POS化やキャッシュレス化なども進めていきたい」と語る。