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シオンテクノス

札幌市東区にある本社社屋

若手の吸収力とベテランの技術力で業界をリード

 国内大手空調メーカー8社のうち5社のメンテナンスを手がける「シオンテクノス」。約50人のサービスマンが在籍するなど道内の空調メンテナンス分野でトップクラスの規模を誇り、多くのビルや商業施設で空調機の新設から整備、保守、メンテナンスまでを担う。

 季節を問わず適温・適湿で過ごすために空調設備は必要不可欠。重要なライフラインである一方で、技術者の高齢化と人材不足が深刻化している。それでも村野篤社長は「数年前に社員の身内や友人を採用するリファラル採用を推進したことで、当社の採用は絶好調。未経験者を一から育てています」と自信を見せる。

 近年は空調メーカー各社がメンテナンス性を重視した商品開発が進み、クラウドシステムによる製品管理や監視システムとの連動など、制御機能付きの空調機器が一般化。サービスマンの業務範囲が拡大している。

「当社は社員の半数以上が20~30代ですから、最新のシステムを覚えるのも早く、しっかり対応しています。また、ベテランの技術者も在籍しており、知識や技術が必要となる古い空調機器にも対応できます。熟練と若手のバランスが強みになっています」と村野社長は話す。

 お互いの業務を補完し合うだけでなく、技術の継承も着々と進行中。合言葉は〝職人になるな〟だ。

 その理由を村野社長は「技術だけでは顧客は満足しません。単に機械をメンテナンスするために技術を身に付けるのではなく、人に『ありがとう』と言ってもらうために技術を磨いて欲しい。手段と目的をはき違えてはいけません。前者と後者は似て非なるものであり、仕事をする上での重要な〝根っ子〟です。当社では〝やり方〟ではなく〝在り方〟を追求していきます」と人間力向上に重きを置く。

 また、平均年齢30歳の若い会社ならではの〝弱味〟も自覚している。

「会社や上司、同僚次第で白くも黒くもなるのが若い世代です。自分のためではなく、顧客のために、同僚のために動ける人材へと導くことが私の役割です。この意識が正しい行動につながり、ひいては自分の武器になる。『人を喜ばせることこそ人生』という方向性で、近く企業理念を一新します」と村野社長は語る。

村野篤社長