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アルファコートグループ

自社の高級賃貸マンションブランド「アルファスクエア」シリーズを札幌、千歳に続々供給予定

創業21年目は売上高200億円が射程圏。千歳・札幌で投資を加速

 今年3月に創立20年を迎えた「アルファコートグループ」。

 総合デベロッパー「アルファコート」を中心に15社でグループを形成し、不動産開発から分譲・賃貸マンション、ホテル、店舗の企画、設計、施工、管理、解体まで不動産ビジネスをワンストップで提供する一大グループだ。

 業績も堅調そのもの。2024年5月期連結決算では、売上高156億円、営業利益35億円、純利益25億円、純資産126億円、総資産557億円を計上。21期目となる今期は、前期の期ずれもあり、大幅増収増益となる売上高200億円、営業利益40億円超を見込む。

 川村裕二社長は「節目の20期を好業績で迎えることができましたが、現在の社員60人では手が足りない状況です。そこで今年はテレビCMや地下歩行空間の広告などプロモーション活動にも力を入れています。会社の認知度を高めて優秀な人材を集め、さらなる成長を目指します」と話す。

 同社では常時さまざまな不動産プロジェクトが進行しているが、今期は特に千歳市への事業投資が際立つ。年内に賃貸マンション7棟、ホテル2棟の着工を計画。これら9棟の総事業費は90億円に上る。さらに千歳駅の近隣でビル・マンション建設を検討中だ。

「千歳市はラピダスで脚光を浴びていますが、北海道の玄関口としてのポテンシャルの高さを感じ、かねてからホテルやマンション、土地を購入してきたエリアです。これまで築いてきたネットワークから優良な情報が届いています」と川村社長。

 今回の千歳の物件はすべて自社で所有し、旧来からの保有分と合わせて保有戸数は700戸となる。同社ではこのほかにも札幌市内を中心にビルやマンション、ホテル、コンビニやドラッグストアなど170もの物件を保有。年間の賃料収入は、50億円を超えている。

 賃料収入のうち、すべての返済経費を控除した〝真水〟のキャッシュ創出額は年間20億円以上。保有物件のうち毎年数棟がローンの返済を終えるため、この〝真水〟は増え続ける。

 これらを原資に次なる不動産事業に充てるわけだが、投資額も右肩上がりで増えている。近年は年間50~70億円の投資を続けてきたが、今期はついに100億円を超える見込みだ。

 一方、本拠地である札幌市内では37棟の賃貸マンションプロジェクトが進行中。入居率98%以上を誇る自社の高級賃貸マンションブランド「アルファスクエア」シリーズを続々と供給している。来年には札幌市内の保有が2200戸体制となる。

 もう一つの事業の柱となっているのが、サービス付き高齢者向け住宅の開発で、札幌と小樽で計200戸を自社保有する。施設運営事業者による30年一括借り上げという安定事業であり、同社では顧客投資家への提案も並行。投資家より2物件を受託し、自社保有用と合わせて5物件を開発中だ。

 また、不動産グループとして大規模再開発や大型物件にも対応し、これまでに釧路、帯広など道内中核都市の再開発事業を主導してきた。直近では「北見経済センタービル」の建て替えを含む周辺の再開発事業を担い、25年5月末にビルや分譲マンション建設など一連のプロジェクトを完遂させる予定だ。

 来春には北見駅の隣地で新たなホテルも着工する。同社が建物を保有し、JR北海道が展開するビジネスホテル「JRイン」が出店する予定。客室数は200室で、26年夏の開業を目指す。千歳・北見のホテルの完成で、保有棟数は計6棟となる。

 川村社長は「来年、再来年はラピダスの動向を見ながら、引き続き千歳市、さらには近隣の苫小牧市、恵庭市、北広島市なども投資対象のエリアとして吟味していきます」と意気込む。

自社で所有する「アルファ札幌北口ビル」

「TEAM NACS」の森崎博之氏を起用してCMを放送

川村裕二社長
高級感のあるエントランス
昨年、札幌市中央区北1条東1丁目へ本社を移転
北見で進行中の再開発プロジェクト(完成予想図)