成進
道外案件へシフト。独立支援と認知度向上で業界に貢献
2023年に創業20周年の節目を迎えた「成進」。総合とび分野で業容を拡大している。
特殊足場工事と解体工事を得意とし、登別市に本社、室蘭市と仙台市に支店を置く。道内外で広く活躍中だ。
〝未来への布石〟はすでに打ち始めている。中里友宣社長は「近年は道外案件を積極的に受注しています。本州は北海道に比べて大型物件が多い。受注高を道内と同程度に引き上げるのが当面の目標です」と語る。
直近では、東京都港区虎ノ門エリアの再開発プロジェクトへ参画。23年7月から同プロジェトにおいて、施設の足場工事を担っている。工事は今年の3月まで続く予定だ。
このエリアは、国家戦略特区プロジェクトにおける「国際的ビジネス拠点」と位置付けられており、グローバルビジネスの環境基盤の整備や駅周辺の街づくり、環境・防災機能の強化が進むエリアとなっている。
さらに、今年1月からは島根県で大型発電所の足場工事もスタート。支店を構える東北を拠点に関東や九州、中国エリアまでの広範囲で着実に受注を伸ばしている。
一方で、人材不足が著しい業界の課題にも切り込む。とび職の独立希望者を支援する取り組みも行っている。
これは、将来の独立を前提に入社した従業員を対象に、5年で技術を教え込み、その後の5年間はパートナー企業として経営を支援。職人としての独立をサポートするものだ。知識やノウハウだけではなく、独立時には100万円を支援金として提供している。
このほか、子ども達へのイメージアップの一環として、21年から地元室蘭市内で少年サッカー全道大会のメインスポンサーを務めている。この冠大会「成進カップ」は、今年も4月に4回目の大会を開催する予定だ。
「今後もさまざまな面から子ども達の支援を行います。例えば10月には、私の息子が通っていた柔道場が40周年を迎える。これに合わせて、小中学生を対象にした記念大会の開催も予定しています。当社やとびの仕事を知ってもらい興味を持ってもらいたい。それが業界の将来につながると考えています」と中里社長。