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成進

中里友宣社長(中)と結城史成常務(左)、中里勇斗氏

道外での受注拡大を加速。
業界の若返りも推進

「当社は道内2拠点のほか、仙台市に支店を構えており、道外案件も積極的に受注しています。今後は道外受注のウエイトを引き上げます。これが我が社の〝進む道〟です」と話すのは、登別市に本社を構える「成進」の中里友宣社長だ。

 同社は総合とび分野で成長を続け、2023年には創業20年を迎えた。胆振・日高エリアを中心に数多くの大型物件を手掛けている。

 例えば、苫小牧市で出光興産北海道製油所が行う大規模定期保全工事「SDM」の足場工事に参画。エア・ウォーター輪西工場の定期修理工事では、足場工事のほか、大型機器の分解整備や据え付け工事にも対応した。

 また、日高管内全域で電波塔の塗装に伴う足場工事も担当。昨年は白老町からスタートし、えりも町までの約4カ月続く長丁場の案件を完遂させた。

 道外受注を本格的にスタートさせたのは11年から。東京都港区虎ノ門エリアの再開発プロジェクトの足場工事を手掛けたほか、九州での半導体新設工事にも参画した。今後は中国エリアでも半導体工場での工事が控えている。

 中里社長は「本州は大型物件が多い。近年は九州、中国エリアの受注も拡大しており、大阪など西日本エリアに支店を開設する予定です」と話す。

 一方で、中里社長にはもう一つ〝進む道〟があるという。それが業界の若返りの推進だ。

 同社の結城史成常務は36歳と若いが、本州案件を統括する責任者へ積極的に抜てき。昨年には、中里社長の長男で25歳の中里勇斗氏が入社するなど、まずは自社の若返りを図った。

 さらに、若手とび職への独立支援も行っている。将来の独立を前提に入社した従業員を対象に、5年で技術を教え込み、独立時には支援金を支給。独立後の5年間は、パートナー企業として更なる経営支援をしながら、知識やノウハウを提供するスキームだ。直近では、昨年9月に同支援を受ける人材が入社した。

「若手従業員の発想から、SNSを活用した企業ブランドの向上にも着手しました。創業当初から世の中は大きく変化しています。若い世代の考えを積極的に取り入れながらも、古き良きものを大切にして拡大していく」と中里社長。

 

会社リーフレット。とび職の独立希望者を支援する取り組みを行う
24年から開設したインスタグラムは、若年層への認知向上の一環