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成進

インスタグラムアカウントのホーム画面。SNSを活用した人材確保に着手

道外での受注が伸長。とびのイメージアップも推進

 とびの専門集団である「成進」。登別市に本社を構え、室蘭支店のほか道外では仙台市にも支店を置き、その技術力は高く評価されている。

 近年は大型物件の受注が目立つ。道内では、6月から苫小牧市で出光興産北海道製油所が行う定期保全工事「シャットダウンメンテナンス(SDM)」に参画。4年に1度の大規模工事で、同社は足場工事を担当している。

 このほか、日高管内全域で電波塔の塗装に伴う足場工事を受注した。6月の白老町からスタートし、今秋まで続く案件となっており、地元胆振地方のインフラ保全に貢献している。

 道外に目を向けると、作年の夏から東京都港区虎ノ門エリアの再開発プロジェクトへ参画。グローバルビジネスの環境基盤の整備や駅周辺の街づくり、環境・防災機能の強化が進むエリアで、今年の3月で足場工事を完遂させた。

 さらに1月からは島根県、8月からは福井県で大型発電所の足場工事が始まった。支店を構える東北を拠点に関東や九州、中国エリアなど広範囲で受注を伸ばしている。

 中里友宣社長は「現在、九州エリアの受注に注力しており、来年には大阪など西日本で支店を2つ開設する計画です」と話す。

 業務拡大の一方で、世代交代などの準備も着々と進めている。2008年に入社し、本州案件を統括する結城史成常務は36歳と若い。今年1月からは、中里社長の長男である中里勇斗氏も迎え入れ、体制を強化。若い世代の意見を積極的に取り入れるのも同社の特徴だ。

 3月からは若手従業員の発想から、SNSを活用した企業ブランドの向上にも着手。次代のとびの担い手を確保するという課題解決に役立てている。

「とびは人の役に立つ仕事です。SNSで我々の使命や想いを発信し、若い世代に興味を持ってほしい」と中里社長。

 また同社では、子ども達へのイメージアップの一環として、21年から地元室蘭市内で少年サッカー全道大会のメインスポンサーも務めている。この冠大会「成進カップ」は、今年で4回目を迎え、室蘭地区サッカー協会から感謝状が贈呈されている。

 

中里友宣社長
少年サッカー大会「成進カップ」は今年で4回目を迎えた