エフリード
道内は中層階以上を推奨。コンセプト物件も企画
「道内の地価や建築費は高騰しており、大型物件でなければ将来の採算が合いにくいのが現状です。当社では中層階以上の物件を推奨しています。モノづくりへのプライドを持ち、妥協や手抜きは一切しません」と自信を覗かせるのは「エフリード」の藤江伸二社長だ。
同社は、総合建設会社として1962年に大樹町でスタート。賃貸マンション事業へ本格参入したのは2012年からだ。総合建設業で培った圧倒的な技術力の高さを武器に、年間55棟前後の物件を供給。これは道内でもトップクラスの数字で、現在も道内外で約30棟の物件が同時に進行している。
施工力の高さを示す好例が、全国でも施工例の少ない特殊技術を要する「ハイウォール工法」の採用だ。
同工法は、これまで5階建までしか認められていなかったRC壁式工法を「限界耐力計算」を用いた構造設計により、8階建てまで可能にしたもの。柱や梁に邪魔されずスペース効率が高いのが特徴だ。賃貸マンションの場合、狭小地でも投資効率の良い物件が建築できるうえ、建築費も従来法と比べ約5%削減できる。
藤江社長は「家賃相場の高い関東圏であれば『ハイウォール工法』による中層階の物件で充分採算が合います」と話す。
この言葉通り、近年は関東への物件供給も加速させている。昨年11月には、同社初となる自社企画の賃貸マンションを神奈川県平塚市に竣工。9月現在、他社企画を含めた3棟の建築が進んでおり、3年以内に年間20棟を供給していく構えだ。
一方、札幌市内では新たな自社企画物件の試みも始まった。〝女性専用〟や〝料理愛好家向け〟などコンセプトを設定した物件だ。こうした〝特別感〟で物件の価値を高めることにより、オーナーも高い利回りを確保できる。
また、同社は企画から施工、管理までをグループ内で完結させるが、自社でも多数の事業用賃貸物件を所有。同社の賃貸経営ならば、安定して黒字化できることを証明している。