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道南バス

整備・メンテナンスを徹底し、安心・安全な運行を目指す

〝地域の足〟を守るべく日々奮闘。多分野との共働事業を推進する

地域の交通インフラを守り続ける「道南バス」。本社を構える室蘭市内や苫小牧市の路線バスを運行するほか、倶知安町から浦河までの30市町村を運行エリアとしている。

長谷川義郎社長は「行動制限が緩和され、7月には4年ぶりに『むろらん港まつり』が開催されたほか、近隣の登別や洞爺の温泉街にもインバウンドも戻りつつあり、貸し切りバスや高速都市間バスなど観光需要が大きく回復しています」と話す。

10月に室蘭と青森をむすぶフェリー航路が15年ぶりに再開することを受け、フェリー乗り場発着の路線バスを新設予定。これに併せてダイヤ改正も実施する計画で、利用者のニーズを改めて検証し、路線の新設、延伸、減便を行う。

一方で長谷川社長は「生活路線の回復はまだ厳しい状況です。燃料費や人件費の高騰もあり、今秋以降には運賃の値上げを計画しています。これはドライバーの確保、安全運行の維持・向上、ひいては生活の足を守るためです。ご理解いただければ」と語る。

新たなバス需要の開拓にも挑戦している。7月21日~12月25日で開催するリアル謎解きイベント「新米助手と五つの依頼」は、1日フリーパス券でバスに乗り、各地の謎を解いていく新プランとして話題を集めている。

7月30日からは、北海道エスコンフィールドと室蘭エリアをつなぐ往復バスツアーも開催。往復で大人1人4500~5000円と手頃な価格も人気に拍車を掛けている。

また、倶知安観光協会等と連携した「スカイバスニセコ」も昨年に引き続き、7月15日から運行中。天井部がオープンする専用車両を運行し、観光客から好評を得ている。

一方、長谷川社長は6月から「一般社団法人室蘭観光協会」の会長に就任した。

「地球岬や工場夜景、イルカウオッチングなど室蘭にはさまざまな資源があります。また、すぐ隣に登別温泉や洞爺湖、『ウポポイ』もありますが、それぞれが個々の〝点〟であり、〝線〟になっていないのが現状です。あらゆる業界との共働事業を模索し、胆振エリア一体を盛り上げていきたい。地域の発展なくしてバス事業の発展もありませんからね」と意気込む。

室蘭沖ではイルカやクジラを見られる
長谷川義郎社長