桑園整形外科
診察、治療、入院まで患者側に立った治療を実践
病気を治すことが医師の最大の仕事。しかし、ややもすれば結果にばかり目を奪われ、治療の過程は軽視されがちだ。
一方、患者の立場からすれば治療の過程は非常に重要。心身ともにつらくない治療を求めるのは当然だ。
「桑園整形外科」の東裕隆理事長は、患者目線での治療を続けている医師と言える。
得意分野は「変形性膝関節症」の治療。クッションの役割を果たす膝関節の軟骨がすり減ることで、ひざの痛みが誘発される疾患で、膝の痛みの代表格と言える。
治療に際しては患者の身体的負担を軽減するために、投薬や湿布、ヒアルロン酸注射やリハビリなどによる保存療法を優先している。中でも膝関節へのヒアルロン酸注射の実績は豊富だ。
それでも痛みが取れないケースに限り、人工膝関節を入れる手術をすすめる。手術も「MIS(最少侵襲手術)」と呼ばれる小さな切開で済む術式を採用。東裕隆理事長はこの術式をさらに進化させた。
切開するのは5~8センチで、従来の3分の1程度。靱帯など健康な筋組織への影響も少なく、傷痕も小さい。
また、早く自宅に戻り、社会復帰できるように入院期間も最長2週間程度と短い。さらには抜糸も不要にし、患者の負担を軽減している。
診察室は個室で、プライバシーが守られている。入院生活でも快適さを追求しており、「私が患者として入院するなら、他の患者さんに気兼ねなく過ごせる個室がいいですし、食事もおいしいものが食べたい。そんなクリニックを目指して開業しました」と東理事長。その言葉通り、入院する19の病室はすべて個室。内科的な疾患で入院するわけではないため、食事も健康に配慮しつつ、食べ応えのあるものを提供している。
コロナ禍で、多くの患者が気にしている感染症対策にも十分配慮している。
「来院を控えて症状が悪化してしまわないように、感染症対策に有効な設備は惜しみなく導入しました」(東理事長)。
こうした診療姿勢に加え、治療技術も高い。「人工膝関節置換術」による手術は2011年の開院以来、3000例以上(2022年12月末日現在)を実施し、22年の1年間だけでも170例以上を実施。その全てを東理事長が手掛けている。全国に2カ所しかない人工膝関節研修施設にも指定されており、後進の育成にも尽力している。