ビーロットのクラウドファンディング「B-Den」を徹底解説
東証上場企業の「ビーロット」(本社・東京都港区、宮内誠会長)が手掛ける不動産特定共同事業クラウドファンディングが、手軽に始められる資産運用法として投資家から注目を集めている。その中身を徹底解説する。
安定した財務基盤を誇る
富裕層・投資家向けに不動産を活用した資産運用サービスを手掛ける「ビーロット」。2014年に、創業から6年2カ月で東証マザーズに上場を果たし、現在はスタンダード市場に上場している。
23年12月期のグループ業績は、売上高235億1000万円、経常利益49億4500万円、総資産額は572億4000万円。24年12月期の売上は300億円を超える予想で、その勢いが続いている。
近年はM&Aも実施し、富裕層や投資家から支持を集める〝収益不動産・企業投資のプロフェッショナル集団〟だ。
23年12月期の株主年間配当は、1株当たり51円と前期比31円の大幅増配。配当性向は29・8%とステークホルダーへの利益還元も重視している。
21年からは、従来型のBtoBビジネスでは必要性が薄かったWEBプロモーションと、資金需要の高い不動産ビジネスにおける資金調達の強化を目的に、不動産特定共同事業クラウドファンディング「B‐Den(ビデン)」の提供を開始した。
不動産特定共同事業法(不特法)の1号事業者として、ビーロットが事業化を決定した不動産の取得資金の一部について、インターネットを通じて投資家を募集。匿名組合契約を締結した上で、出資を行い運用期間中の賃料収入などを原資とする配当金を分配する商品だ。
不動産のプロと共同で出資
特徴は大きく分けて3つ。
①収益不動産の投資・運用に精通したプロによる運営。
不特法で必要とされるコンプライアンス体制を構築し、投資物件を選択しているため、これまでの償還済み全21号ファンドは出資元本を100%償還、かつ予定通りの配当利回り(年2~5%)を配当している(24年9月24日時点)。
②「優先劣後方式」を採用し、投資家保護を配慮した仕組み。
投資家保護の観点を重視し、投資家を優先出資者、ビーロットを劣後出資者とする「優先劣後方式」(優先者への配当の確実性を高めること)を採用。投資物件の評価額が万が一、下落した場合でも、下落額はまず同社が負担する。商品にもよるが、劣後出資率は平均44%で、これまでの実績では投資家に不利益を与えたことはない。
③手軽にスタートが可能。
15分ほどで会員登録が完了。運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類と口座情報を準備して、WEBページ(左下QRコード)から登録が可能で利用手数料は無料。1口10万円からの投資が可能だ。
地方創生・株主への貢献にも注力
今後の対象不動産は東京都、北海道、大阪府、名古屋市、福岡県、沖縄県など、営業拠点がある全国で展開していく。
23年は大阪市内の「ペット共生型ホテル」、24年は沖縄県の不動産で「株主限定ファンド」も提供。これらのファンドは、通常のB‐Denファンドの利回りよりも優遇された商品設計となっている。
自社の不動産再生ノウハウや事業観と併せて、そのエリアの魅力を主体的にPRしていくことで、地方都市との繋がりにもより意識が強まったという。
24年には拠点エリアや社会への還元を目的に、札幌市や北広島市を含む10市町村に「ふるさと納税寄附」を実施した。
また、今後も株主(1万2890人、24年6月末時点)が優遇される商品を積極的に展開するという。
コンプライアンスを管掌する取締役の望月文恵氏は「当社にとってB‐Denは、資金調達手法でもありますが、その資金を充てに不動産を取得するよりも、あくまで当社の事業を知っていただくことがテーマです。堅実にファンド実績を積み重ね、これまでにB‐Denを通じて当社を知ったWEB世代や、株主様を始めとした既存のステークホルダーと交流を深めてきました。私自身も父が美唄市出身で親戚も多いため、ルーツである北海道でも積極的に事業を展開する意向です」と語る。
新ファンドを募集 キャンペーンも開催中
12月11日からは、第28号ファンド「IMANO OSAKA」
の募集を開始予定。対象不動産は、19年完成のカフェとバーが併設されているホテルで、ペット同伴も可能なことから人気を博している。
予定利回りは3%、募集金額は1億円で、運用期間は約11カ月を予定。募集期限は12月16日までのため、早めの申し込みを。
また、現在同社では新規投資者を対象にした「はじめて投資キャンペーン」を開催中。初回投資一口(10万円)でAmazonギフトカード1000円分を進呈するほか、追加一口ごとにさらに1000円分が追加される(特典付与は最大3万円、初回投資額300万円相当)。期間は12月31日まで。