札幌脊椎内視鏡・整形外科クリニック
低侵襲な脊椎内視鏡手術で早期社会復帰を支援
「札幌脊椎内視鏡・整形外科クリニック」の長濱賢院長は脊椎内視鏡手術が専門。腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニア、腰椎すべり症など、脊椎疾患全般に対応する。
2020年10月の開院以来、既に881件(23年1月31日現在)の手術を手掛けている。他の脊椎外科医から患者を紹介されることも多々あるほか、道外から訪れる患者も多い。
選ばれる理由は手術方法にある。13年の北海道大学病院整形外科助教時に、内視鏡を用いた低侵襲腰椎固定術「PETLIF」(ペトリフ)を長濱院長自身が考案。今や世界的にも先端の手術法として認知されており、国内でも限られた脊椎外科医しか施術ができない。国外の外科医が手術見学に訪れるなど、アジアやヨーロッパなどでも逐次導入が予定されている。
これまでの腰椎固定術は、腰部の皮膚切開と筋肉剥離を伴い、術後に血液がたまらないよう血抜きの管(ドレーン)が必須だったが、PETLIFは内視鏡やネジを挿入する小さな傷(約2センチ)を数箇所開けるだけで手術が可能。開口部は絆創膏で止血でき、ドレーンや抜糸の必要もない。神経には触れず、骨や関節をそのまま残すこともできるため、身体への負担が軽減される。
手術直後から痛みの改善が期待でき、当日に歩行できる場合も多いという。一般的な手術に比べて入院期間も短く、早期の社会復帰を目指すことができる。
また、腰椎椎間板ヘルニアには全内視鏡下手術「FED」を推奨。直径8㍉の特殊な内視鏡を用いてヘルニアを摘出する。全身麻酔の必要がなく、1泊の入院で治療することも可能で、これまでに440件(23年1月31日現在)の手術実績を持つ。
一方、長濱院長は北海道大学病院客員臨床講師として講演や医学論文の執筆など、学術活動も手掛ける。
さらに、20年には富士フイルム(本社・東京都港区)とAI技術を用いた画像描出ソフトの共同開発を行うなど、医療の発展にも注力している。
長濱院長は「先進医療を行うためには、科学的根拠を示したうえで他の医師から評価を受けることが重要です。世界的なトップリーダーたちとのディスカッションが自己鍛錬となり医療の質を高めることにつながる。PTLIFややAIを用いた画像描出法など〝日本発〟の先端技術を世界的に普及させ、医療レベルを向上させることが私の役目です」と意気込む。