ほっかいどうデータベース

日本工営 札幌支店

衛星データを用いて斜面やインフラの変動リスクをモニタリングする「LIANA」

23年にHD化。DXの推進で地域社会の発展に貢献

建設コンサルタントの国内最大手。世界各国で環境対策や防災・減災、エネルギー、交通インフラなどの整備や維持管理を手掛ける。

近年、力を注いでいるのがDX化だ。22年8月には、外来魚調査を目的に開発した「環境DNAチップ」を発表した。湖沼などの水から外来魚のDNAを検出するもので、分布情報を迅速に把握。調査や駆除の簡易化が図れる。

9月には、佐賀県嬉野市と共同で、「デジタルモール嬉野」をオープンさせた。観光資源の体験や地域交流ができるメタバース(仮想空間)で、VRやアバターを用いて街を散策。観光情報の収集が可能となる。

「観光資源が豊富な北海道に適しているシステム。導入を図り、地域創生に寄与していきたい」と橋場克泰支店長。

また、11月には衛星データを用いて斜面やインフラの変動リスクを視覚化する「LIANA」を本格的にリリースした。低コストで広域のモニタリングが可能で、インフラの老朽化や災害、人手不足などの課題解消を図り、予防保全に貢献する。

23年は7月に、持株会社「ID&Eホールディングス」を設立する。コンサルティング事業の「日本工営」のほか、都市空間事業の「日本工営都市空間」「BDP HD」、エネルギー事業の「日本工営エナジーソリューション」などを傘下に収める。30年にはグループ年商2500億円を目指す。

橋場克泰支店長
嬉野市の観光資源の体験や地域交流ができるメタバース「デジタルモール嬉野」