HTB旧社屋が売却決定!でも水曜どうでしょうの聖地やonちゃん像は……
「本日、北海道テレビ放送株式会社(北海道札幌市)から、下記のとおり、マンション開発用地及び戸建分譲用地の売買契約を締結いたしましたのでお知らせいたします」
2018年9月に札幌市豊平区から同中央区の「さっぽろ創世スクエア」へ移転した北海道テレビ放送(HTB)。
その後旧社屋は売却の方向とされていたが「テレビ局という特殊な建造物のため、解体費用が嵩む」(不動産業界関係者)といったこともあり、ここまで2年あまりの間に音沙汰はなし。
同社の自社制作ドラマの撮影に使用されたり、最近では新型コロナに対応したドライブスルー方式の物産展を開催したり、といった散発的な活用に留まっていた。
その中で本日、地場住宅大手「土屋ホールディングス」(札幌市、土屋昌三社長)のグループ企業「土屋ホーム不動産」(同、所哲三社長)への売却が発表された。
発表内容によると、同社は社屋跡地(7961.48平方メートル)と隣接する駐車場(2074平方メートル)の土地建物を取得。社屋側は戸建分譲用地に、駐車場はマンション開発用地にするという。
購入価格は守秘義務により非公開としている。参考までに、路線価から換算すると少なくとも10億円以上と見られる。
同社は「生活環境に恵まれた立地となります。この地域環境を活かした街づくりにより、地域社会に貢献してまいります」と表明している。
さて、この展開で早くも気を揉んでいるのが、HTBの大ヒット番組「水曜どうでしょう」ファンだ。
旧社屋とその周辺は、隣接の平岸高台公園とともに同番組のロケで数多く登場した“聖地”。同番組ファンの聖地として、毎年道内外から多くのファンが巡礼に訪れていた。
「社屋が解体されても『どうでしょう』のあの雰囲気は、公園ともども、いつまでも残してほしい」と願うファンも多い。
また発売中の財界さっぽろ2月号で掲載した通り、旧社屋屋上に置かれているマスコットキャラクター「onちゃん」像の保存活動をおこなっていた人たちもおり、今後は土屋ホールディングスの開発内容にも注目が集まるだろう。
なお、HTBの公式Twitterは、本社移転前の2018年7月18日に以下なツイートをしている。
「\ ありがとう南平岸 /
HTBは今年9月にさっぽろ創世スクエアへ本社を移転します。
南平岸のみなさま、そしてHTB本社へお越し頂いたみなさま、本当にありがとうございました!
本社は南平岸を離れますが、HTBは一生南平岸します!」
だが本日夜、HTBは旧社屋売却を報じる自社のニュースに対して、こうコメントしている。
「創業・開局以来半世紀にわたってお世話になった地域の皆様に感謝を申し上げるとともに魅力あふれた街となることを期待したい」
“一生南平岸します”という宣言との温度差を感じるが、果たして……。
旧社屋屋上にある「onちゃん」像の保存を目指した、地元有志の活動を掲載した財界さっぽろ2月号は、道内書店・コンビニエンスストアのほか、以下の当社公式通販サイトなどからも購入できる。
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