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SSKファシリティーズ

田中芳章会長

特許技術の先進工法でビルメン業界をリード

 インフラ施設などの維持管理を手掛ける「SSKファシリティーズ」。首都圏での業務拡大を見据え、今年1月に札幌施設管理から現社名に変更。5月には元札幌市環境局長の佐藤博社長が就任するなど新体制となっている。

 先進的な技術を有することで知られ、水中ロボットを用いた水道配水池の点検や清掃、水道管の漏水を自動的に感知する次世代の漏水調査を行う。

 中でも需要が拡大しているのが「SPT配管診断」だ。ビルやマンションの劣化した給・排水配管の寿命を正確に判断する特許技術で、東京大学の上床美也教授と共同開発。国会議事堂の配管診断にも用いられた。

 田中芳章会長は「国内唯一の技術で2020年には、国土交通省の『インフラメンテナンス大賞』で優秀賞を受賞し、今年9月には、建物配管診断の手法で初めてBELCA(公益社団法人ロングライフビル推進協会)の『優良補修・改修工法等』の評価を取得しました」と語る。

 診断方法は、エックス線を使いフィルムよりも感度の高いIP(イメージングプレート)で配管を高精度撮影した後、デジタル解析で劣化状況を分析。配管の更新提案時期を5段階で判定する。

「管の劣化の放置は漏水事故や健康被害の原因になりますが、全面更新となれば1億円を超える工事も少なくない。当社の診断ならば管を切断せず、部位ごとに診断できるので、部分改修が可能でコストの大幅な削減ができます。全国の自治体や施設管理者、オーナーへ周知を図っていく」と田中会長。