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ミライシアホールディング

不動在庫の効率的なマッチング機会を創出する

薬局間の不動在庫を交換し医薬品廃棄を削減

 全国の調剤薬局では、年間約100億円の医療用医薬品が廃棄されている。主な理由は使用期限が切れているためだ。医薬品廃棄は薬局経営を圧迫するほか、廃棄に伴う医薬品の包装材として使われているPTPシートといったプラスチックごみの増加が課題となっている。

 調剤薬局運営事業を手掛ける「ミライシアホールディング」は、2023年から薬局向け不動在庫マッチングサービス「ばくりっこ」をスタートした。凸版印刷(本社・東京都文京区)と共同開発したもので、薬局が抱える不動在庫や使用量情報を独自のマッチングアルゴリズムにより、交換または購入する医薬品を自動選定し、薬局間での医薬品交換・売買を可能にするサービスだ。

 また、メーカー名や使用期限、割引率、地域など詳細な条件から検索して購入することも可能。「長期間売れていない」「使用期限内の使用が困難」など、廃棄になる可能性がある医薬品を低価格で出品し、必要としている他の薬局が購入することで医薬品廃棄の削減につなげている。

 神山武士社長は「廃棄医薬品は薬局の存続に関わる大きな問題です。不動在庫の削減で、経営困難に陥る薬局をサポートすると同時に、医薬品領域からSDGs推進にも取り組んでいきたい」と話す。

 今後は、全国の薬局2500店舗への導入を目指している。