ナインホールディングス
世界的潮流のESG投資に対応し次なるフェーズへ
賃貸マンションの企画から設計、施工まで対応し、完成後の管理やガス供給も担う「ナインホールディングス」。
札幌で個人投資家向けの賃貸マンション市場を切り開いたリーディングカンパニーで、国内の大企業をはじめ、資産管理法人や事業法人などからもオファーが舞い込む。個人・法人、プロジェクトの大小問わずに対応する総合力が強みだ。
投資用不動産事業は新たなフェーズに突入しようとしている。
「世界の投資家や大企業に広がっているのが『ESG投資』という概念です。環境問題や社会問題に真摯に取り組み、社内体制もクリーンに運営されている企業に投資するという考えで、SDGsとともに普及が進んでいます。大企業との取り引きが増えている当社としても、こうした世界的な潮流に対応していく」と高橋宏弥社長。
この一環として、筆頭事業会社で500棟以上の賃貸マンションの企画実績を誇る「ファクター・ナイン」では、今年3月に北海道銀行と新たな融資契約「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」を締結。不動産事業の持続性や省エネ機器の積極導入、環境への取り組み、DX推進などのほか、ワークライフバランスやダイバーシティの推進など、社内環境を含めて総合的に評価された。
来年4月には建築物省エネ法の改正も控え、一般住宅や賃貸マンションの建築基準が変わる。
「新築住宅はZEH・ZEB基準の省エネ性能を確保する義務が生じるため、建築コストのさらなる上昇が予見されます」と高橋社長。同社でも来年4月以降に着工予定の複数棟でZEB化を計画している。
同社では今後、住み心地を追求した高付加価値マンションとして家賃を高め、利回りの低下を最小限に抑える方針だ。
高橋社長は「首都圏では利回り2~3%が相場ですから、今後も行き場のない投資マネーが札幌をはじめ北海道に流れてくる」と分析し、ラピダス進出で湧く千歳市やエスコンフィールドHOKKAIDOが誕生した北広島市をはじめ、函館市や旭川市など道内主要都市の不動産開発も視野に入れている。
「景気や国際情勢に左右されない堅実投資が賃貸経営です。収益面だけでなく節税メリットを含め、利益体質の企業が取り組む意義は大きい」と高橋社長。