エーエス
仕事の醍醐味は達成感。
分岐点で自らの道を決める
「配管なしでは建物が機能しません。床下や天井裏など見えないところに設置されますが、人々の生活を快適にするためには必要不可欠です。こうした役割を担えるのが配管業最大の魅力だと思います」と話すのは「エーエス」の會澤勝社長。
同社は2004年の創業で、今年3月に20周年の節目の年を迎えた。さまざまな物件の配管新設・改修工事に携わり、近年も札幌市中心部の再開発工事にも参画。「ココノススキノ」のホテル部分や「創世1・1・1区(さんく)」の高層棟などの工事を手掛けている。道外からの依頼も多く、日本一の超高層ビル「虎ノ門ヒルズ森タワー」(東京都港区)の空調工事も同社が担ったものだ。
特徴は、衛生、空調、消火の各配管工事に対応していること。衛生配管と空調配管に対応する会社はあるが、消火配管を含む全てに対応できる会社は少ないといわれる。構造やシステム、施工法、関連法律などがそれぞれで異なるため、対応するには多岐にわたる技術と知識が求められるからだ。
會澤社長は「なかでも消火配管は、消防法施行令規則で細かな規定があるため、限られた技術者にしか施工ができません。当社には、厚生労働省が認定する『ものづくりマイスター(配管)』が対応しています。若年者の実践的な実技指導や技能継承で、後継者育成も推進しています」と語る。
入社後の2~3年間は、現場で先輩社員の指導を受けて技術と知識を学んでいく。その後の3~4年間は実際に1人で作業を担当する。入社7年を目途に、職長として現場を監督する立場になるか、施工技術を極めていくかを選択できる。自身の進路を自ら決めることができるため、仕事の醍醐味や達成感を得ることができるのが特徴だ。
また配管技能士は、一人前になるために約7年が必要とされている。国家資格である「一級配管技能士」の受験資格が、配管業界で7年以上従事することが条件となっているからだ。同社では定期的に資格取得の講習会を開催するなど、バックアップ体制も整備。若手もベテランも働きながら学ぶことが可能だ。
講習会の講師は、北海道配管事業協同組合理事で副技術委員長も兼務する會澤社長が自ら務める。ノウハウを蓄積し最新技術にも精通しており、何より社員に対する愛情は人一倍だ。
「今や建設業界は3Kではありません。業界を挙げて週休2日が推進され、働き方改革も相まって残業も少なくなっています。配管の仕事は〝ものづくり業〟です。完成した時の達成感は、何ものにも代えがたい」と會澤社長。