えにわ病院
上肢疾患に精通。低侵襲な腱板修復術でQOLを向上
中高年は「肩が上がらない回らない」といった症状が出やすい。四十肩や五十肩と思いがちだが「腱板断裂」の可能性がある。
「上腕の骨と肩甲骨をつなぐ腱が切れる病気で、自然につながることはありません。保存療法を優先しますが、根治するには手術が必要です」と語るのは竹内裕介医師。年間2500例以上の整形外科手術を担う「えにわ病院」で、上肢疾患を専門としている。
得意とするのが、肩の腱板断裂に有効な「関節鏡視下腱板修復術」。関節鏡を使った低侵襲の術式で、体への負担が少ない。糸の付いたアンカー(釘)を骨に埋め込んで腱を縫合するが、切開はわずか1㌢ほど。治りが良く、仕事復帰も早い。2008年の着任から23年12月末までで1363件を実施している。
竹内医師は「術後の肩甲骨の動きが悪いと治りが遅く、再発の可能性がある。上肢の全手術で肩甲骨の位置や可動域、柔軟性に配慮することで、QOLの向上と健康寿命の延伸を両立させます」と語る。
また、腱板断裂が悪化して同術式が適用できない場合には人工関節の手術も行うが、可能な限り保存療法も活用しながら改善に取り組んでいる。