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中村記念病院

大里 俊明 副院長
おおさと・としあき/1988年札幌医科大学卒業。中村脳神経外科(現中村記念病院)勤務。手術部長などを経て2013年に副院長に就任。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。

2台の血管造影装置で一刻を争う脳卒中を迅速に対応

 1967年に国内初の脳神経外科専門の医療機関として発足した「中村記念病院」。標榜する12科のなかで、中心的な役割を担っているのが脳神経外科だ。

 脳神経外科医55人が在籍し、このうちの39人が日本脳神経外科専門医の資格を保有。さらに、12人の日本脳神経血管内治療学会認定脳血管内治療専門医を有する病院は道内でも珍しい。

 大里俊明副院長も脳神経外科が専門。手術部長も兼務しており、手術部門の陣頭にも立つ。

 脳神経疾患で良く耳にするのは脳卒中ではないだろうか。「脳出血」「脳梗塞」「くも膜下出血」の3症状に大別され、なかでも脳の血管が血栓によって詰まる脳梗塞は、全体の70%を占めると言われている。

 脳梗塞はさらに、血管の太さや詰まり方などで『心原性塞栓症』『アテローム血栓症』『ラクナ梗塞』などの細かな症状に分類される。

 大里副院長は「手足の麻痺や呂律が回らない、めまいなどの症状が出た場合は、ためらわず救急車を呼んでください。脳梗塞では、発症してから4~5時間以内の患者さんのみに行える特殊な治療もあります」と話す。

 一刻を争う脳梗塞の治療では、詰まった血栓を溶かしたり回収、吸引する血栓回収療法で行う。血管内治療は安全性を確保するため、日本脳神経血管内治療学会認定脳血管内治療専門医が担っている。

 また、同院では、この血栓回収療法が可能な血管造影装置を2台導入しており、昼夜を問わず2件同時に治療ができる体制を整えている。

「通常、血管造影装置1台に数人の医師が必要となりますが、当院は多くの医師が在籍しており複数の治療を並行して行っています。救命度を高め、その後も安定した日常生活を送ることができる」(大里副院長)

 この治療は、グループの中村記念南病院(札幌市南区)でも実施しており、同院でも豊富な実績を有している。

「脳卒中は早期の発見、治療が肝心なため、脳ドックなどの定期検査をおすすめします。ストレスや運動不足が引き金になる場合も多い。日中は体を動かし、夜は良質な睡眠を取ることで予防につながります」と大里副院長。

脳出血
くも膜下出血
心原性塞栓症
札幌市1次救急、2次救急指定の中村記念病院