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大壮運輸

新車は定期的に入れ替える。これにより従業員の確保につながっている

人材確保、待遇改善、新規案件獲得などで増収増益達成

〝モノと想いを載せて走る〟というミッションのもと、雑貨などの生活必需品をメーンに運ぶ物流業の「大壮運輸」。国内大手ドラッグストア、スーパーなどが主要取引先だ。

 燃料費高騰や人材不足などマイナス要因の多い流通業界だが、売上高は前年度比109%で、3期連続の増収増益を確保。DX化による事務業務を効率化したことなどが奏功した。

 豊島修治副社長は「〝2024年問題〟対策と輸送能力拡大を目指して策を講じてきました。荷主の協力を得て運賃を値上げ、時間短縮のために運行走路を変更するなど、さまざまな準備が成果となって表れました。配送先は札幌圏を中心とし、運行形態の見直しを図ったことも大きい。ドライバーの給与も平均で5%上げることができました」と振り返る。

 新たな受注も増えている。昨年10月に国内最大手家具・インテリアチェーンからの業務を受託したほか、今年4月には大手家電メーカーからの依頼も舞い込んだ。

「これまで磨いてきた輸送品質が評価されていると実感しています。取り引きを開始して、半年後に依頼量を増やしてくれた荷主もおり、稼動台数が2倍になったケースもあります」と豊島副社長。

 ドライバー教育の専門部署を設置するなど人材採用・育成にも注力するほか、世代交代も見据えている。この1年間で、森脇有斗部長など将来の幹部候補も複数人採用。着々と準備を推進し、地歩を固める。

「人材確保やDX化、ドライバーの待遇改善など、経営体制の地固めも進んでいます。年内には、札幌市内に新たな営業所を開設する予定もあります。関東への進出も検討しています」と豊島副社長。今後も快走は続きそうだ。

 

第61期全体会議では、目指すべき経営の方向性を確認した
豊島修治副社長(左)と森脇有斗部長