東北土建
建築部門が好調。自社開発の点検アプリは次なる段階へ
戸建住宅などの建築と構造物点検・調査を主事業とする「東北土建」。なかでも道路構造物の点検では、道内トップシェアを誇る。
2023年度も業績は堅調に推移。14年に青山裕亮社長が就任して以来、最高の売上高を記録した。
「国内大手ハウスメーカーの指定工事店でもある建築部門が好調だった。人材の育成など、これまで準備してきたことがやっと花開いてきました」と青山社長は振り返る。
その建築部門では、戸建住宅以外にも施設などのリフォームやフルリノベーションの大型受注が続く。直近でも住宅地の地価上昇率全国1位で、リゾート地として再注目される富良野市では、大型宿泊施設のフルリノベーションを受注。7月に着工し、11月まで続く大規模な工事だ。
もう一方の柱である点検調査部門も好調。道内外で橋梁やトンネル、道路附属物など大型物件の点検調査を手掛け、昨年度は橋梁が315カ所656径間(前年度比4%減)、トンネルは80カ所1352スパン(同164%増)、道路附属物点検においては2861カ所(同101%増)の点検を担った。
道外での受注増加に対応すべく、21年の埼玉県、23年の千葉県に続き、今年7月には福岡県へ営業所の開設を予定している。
一方、橋梁点検の作業効率を大幅に向上させた自社開発の点検補助アプリ「BIS」は、これまでに全国で1424橋(2430径間)で使用されてきた。こうした実績と技術力に国内大手総合電機メーカーも反応。同社と共同で、BISのシステムを応用した点検補助アプリの開発が間もなくスタートする。
「BISは今年度中にApp Storeで大々的にリリースする計画です。今後は建築の施工管理アプリも全国に展開していきたい」と青山社長は意気込む。