ダイワ工業
鉄と木を融合。無落雪ガレージの量産化にも挑戦
エンドユーザーへの直販は行っていないものの、コアなファンを増やしている美唄のガレージメーカー「ダイワ工業」。
アイアンガレージと呼ばれる鉄製のガレージをオーダーメードで製作し、変形地や狭小地にも対応。既製品にはない設計の柔軟性と、アルミ製ガレージとは異なる〝無骨〟な質感が支持されている。
住宅の外壁と調和するブラックやブラウンなど、カラーバリエーションも豊富に用意しているほか、物置も数多くラインアップする。新築時だけでなく入れ替え需要にも対応し、解体・撤去まで手がけている。
カーポートや物置を含め、札幌や旭川、帯広など道内全域のハウスメーカーや工務店に年間1800棟以上を販売。さまざまな住宅会社で「エクステリアに強くこだわる施主には、ダイワガレージが適している」という認識が徐々に浸透しつつある。
一方、2021年からは雪下ろし不要のガレージ・カーポートの開発をスタート。毎年試作を重ねている。
荘司光哉社長は「無落雪仕様のガレージやカーポートを試作しながら、モニタリングを重ねてきました。今年は新たに、柱の新設や鉄板の剛性強化、溶接方法を変更しました。次の検証で商品化に向けての道筋が見えてくるはずです」と語る。
オーダーメードという対応力の高さで勝負し続けてきた同社だが、この無落雪ガレージ・カーポートに限っては、低価格の量産型を目指して開発を進めているという。
「豪雪地である美唄を拠点とする北海道のガレージメーカーとして、高齢者などの雪下ろし中の転落事故を無くすことが最大の目的です。供給数を増やすためには、やはり低価格化を実現する必要があります。簡単ではありませんが、必ず商品化させたい」と荘司社長は力を込める。
また、20年には鉄加工技術を応用し、オリジナルアイアン家具ブランド「ando....」を立ちあげた。鉄の堅牢さと木材の柔らかさを融合し、テーブルや棚など製作している。一点もののオーダー製作にも対応し、個人から店舗まで幅広い顧客を獲得。美唄市の眼鏡店では、商品の陳列スペース全体をプロデュースするなど、店舗・空間デザインという新分野にも挑戦している。
この「ando....」で磨いたデザイン力を生かし、今年2月には鉄と木を融合した「アイアン・ウッドカーポート」も試作した。
荘司社長は「一般の住宅だけでなく、社屋や店舗など、新たな市場も開拓していきたい」と意気込む。