ダイワ工業
品質で勝負。施工体制強化でさらなる成長を目指す
道内のハウスメーカーや工務店を顧客とする美唄のガレージメーカー「ダイワ工業」。高い強度とデザインの柔軟性に富んだスチール製ガレージを生産し、変形地や狭小地にも対応するほか、カラーバリエーションの豊富さも相まって、右肩上がりで販売数を伸ばしてきた。
土地価格や建築費の高騰、金利の上昇などを背景に新築住宅の供給数が減少に転じた昨年は、供給数が減少したが、それでも荘司光哉社長は前を向く。
「もともと量産型のガレージメーカーではなく、施主一人ひとりの要望に応える柔軟性を売りにしてきました。カーポートや物置も含めた全商品に付加価値を付け、勝負していきたい」と意気込む。
ガレージに求められるニーズにも変化が見られるという。自動車メーカーの海外戦略による車の大型化が顕著となっている昨今は、ガレージの建て替え需要が高まっている。
荘司社長は「ガレージを作業場としたり、〝趣味部屋〟にしたり、単なる車の保管場所ではなくなってきています。気密性や結露対策など機能性もブラッシュアップさせていく。あくまで品質勝負です」と話す。
また、電気自動車の普及を見据え、充電設備の据付工事にも対応していく。それと並行して施工体制の強化も進めている。
「これまで施工も当社で行っていましたが、人員が限られるためお断りするケースも少なくなかった。施工解説動画などを用意し、外注先を増やすことで一人でも多くのお客様に提供できれば」と荘司社長。
一方、鉄加工技術を生かし、2020年からはオリジナルアイアン家具ブランド「ando....」を立ちあげている。美唄市のふるさと納税返礼品にも採択され、ファンを増やしている。今年2月には、東京ビックサイトで開催された「東京国際家具見本市」に出展。来場する複数のバイヤーの目にとまり、新たな販路も開拓しつつあるという。同展示会に出展した道内の家具製作会社とのコラボも決定し、今年中に協働プロジェクトをスタートさせる。
「今回の出展は社員にとって大きな刺激になりました。今後は金型や塗装、加工機器など多分野の展示会に彼らも足を運び、新たな事業展開の〝ヒント〟を見つけてきてもらいたい」と荘司社長。