ジョウシュン重機
残土リサイクルや環境配慮型車両を導入。防災面でも寄与
住宅の基礎や外構工事など、建築土木工事を担う「ジョウシュン重機」。2022年にはSDGs宣言を行った。事業そのものがSDGs11番目の項目「持続可能な都市」に該当するなど、現在は9項目を実践している。
「道路や河川工事にも参画しています。なかでも重点項目にしているのが、環境へ配慮した取り組みです」と馬場俊社長が話すように、砂利や土などの資源リサイクルと環境配慮型車両の積極的導入を推進している。
資源リサイクルでは、建設現場で大量に出る〝土〟に着目した。掘削した土は残土処理場に投棄され、埋め戻しには新たに採取した山砂を使用するのが一般的だ。しかし、同社では発生した土を自社のたい積場へ運び保管し、他の現場の埋め戻しなどに再利用している。山砂を新たに森林などから採取する必要がなく、森林伐採の抑制にもつながった。
また、法面工事の際には植生マットを用いている。これは、植生による法面保護工法の1つで、主に切土法面に使用する。本来植物が育たない岩盤などに草木を生やすことで、土砂災害を防止。防災の観点からもSDGsに取り組んでいる。
環境配慮型車両の導入では、ダンプや重機に尿素SCRシステムを搭載する。同システムは、排気ガスの窒素酸化物を低減し、窒素を無害化する排ガス浄化システム。従来のディーゼル車に比べ燃費も向上できる。
現在同社では、車両12台にこの尿素SCRシステムの搭載。25年までに全ての車両を搭載車両に切り替える計画だ。
一方で働きやすい職場づくりも推進し、8番目の項目「経済成長と雇用」も実践する。20年から育休制度や介護休暇制度を策定し、従業員の育休取得を奨励している。
さらに、重機や大型車の免許取得費用を負担するなど従業員のスキルアップもサポート。こうした取り組みで、若手従業員の定着率も向上しているという。
「今後は外国人材や女性の採用を積極的に行い、雇用面からもSDGsに取り組んでいきます」と馬場社長。