丸ウロコ三和水産
ピンチをチャンスに。全国からのエールに応える
オホーツク海沿岸全域から、ホタテやカニなどを仕入れて販売する水産加工会社。
独自ブランドの開発や自治体と協働した物産展への出展、自社ECサイトの開設、SNSマーケティングも駆使するなど、国内販売を強化してきた。また、中国だけでなくアメリカや台湾への輸出など、取引する商社も増やし、〝偏らない経営〟でリスクヘッジを図ってきた。
それでも〝処理水問題〟の影響は尾を引いている。
「報道や行政の呼びかけなどもあり、全国から応援の声が届いています。事実、紋別市のふるさと納税返礼品に採択されている当社のホタテ貝柱は、過去最高の販売数を記録し、自社のECサイトの売れ行きも好調です。皆様のおかげで最小限の打撃で済んでいます」と山崎和也社長は感謝を述べる。
寄せられるエールに応えるべく、攻勢に転じている。人手不足に立ち向かうため、23年は逆風下で従業員の寮を新設したほか、24年3月にも新たな寮が紋別市内に完成予定。既存寮含めて45人分の住居を用意する。
また、22年に傘下に収めた浜頓別町の「マルヨ横田水産」では、24年中に新工場を建設予定。丸ウロコ三和水産同様、HACCP認定も取得する計画だ。
「守っていては衰退あるのみ。積極的な設備投資で業容拡大を加速させます」と山崎社長は意気込む。