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ティーアール

今年5月に先端ベンディングマシンを導入。効率化と品質向上に成功している

技術とテクノロジーの融合を推進する〝板金屋〟

「ティーアール」は、建物の屋根・外壁の板金工事を手掛ける実力派企業だ。学校や大型商業施設、漁港を中心に年間60物件以上、面積にすると約4万平方㍍を施工している。

重要文化財も数多く手掛けるなど、高い技術力は多方面から信頼を獲得。特に屋根の金属防水を得意としている。

屋根防水にはさまざまな工法があるが、金属防水は超耐久性鋼板を使用した熱溶着工法で、高い防水性を得られるのが特徴。強靱で地震の揺れにも強く、耐食性や耐候性にも優れているほか、施工時に溶剤や接着剤を使用しないため環境にも優しい。業界では特殊技術と位置付けられており、施工できる企業は道内でも限られる。

また、板金資材の加工・販売も行っている。施工を主事業としている同社では〝現場の声〟に直接触れ、ニーズを取集しやすいため、現場で本当に必要とされている資材の提供が可能だ。 

徳家義従社長は「建築板金業界はもっとテクノロジーやデジタルと〝融合〟していかないと発展しない」と話し、今年5月に金属を折り曲げる「ベンディングマシン」を導入した。金属加工機械製造の国内大手アマダ(本社・神奈川県)社製の最新鋭機だ。

加工プログラムを容易に作成できるタッチパネル式IoT機能が搭載されている。これにより、オペレーターの経験や習熟度を問わず、簡単に高精度な曲げ加工ができるのが特徴だ。

徳家社長は「加工スピードと精度が格段に向上しました。現在、工事部門が売り上げの80%を占めていますが、DX化で3年以内に製造加工部門の比率を全体の50%までに引き上げたい」と語る。

一方で、ガレージや物置、仮設ハウス製造も好調だ。板金工事で培った技術を生かして完全フルオーダーで対応。一般ユーザーや建設業を中心に好評を博しており、今後はプレハブ事業の拡大も計画している。

「〝板金屋〟は屋根施工術である『一文字葺き』や『菱葺』など、日本伝統技術を次世代に継承すると同時に、作業効率や品質向上を追求した新技術も取り入れ、進化していかなくてはいけません。当社は常に変化していく企業を目指しています」と徳家社長。

タッチパネル式で操作も簡易
ベンディングマシンの全景
徳家義従社長