ティーアール

道内全域で屋根・外壁工事全般や板金資材販売を手掛ける「ティーアール」。漁港や学校、大型商業施設など、年間約60物件、面積にすると約４万平方㍍を施工している。前身の「トクイエルーフ」から数えると、30年以上にわたって存在感を示してきた。

重要文化財の板金工事も手掛けるなど、その高い技術力には定評がある同社。成長の根底にあるのは、経営理念の〝信頼される技術〟だ。

特に自信を持っているのが屋根の「金属防水」だ。超耐久性鋼板を使用した熱溶着工法で、高い防水性が得られるのが特徴。軽量かつ強靱で地震の揺れにも強く、耐食性や耐候性にも優れている。施工時に溶剤や接着剤を使用しないため環境にも優しい。

業界では特殊技術と位置付けられており、施工できる企業は道内でも数少ない。

「一文字葺き」などの日本伝統技術も得意としている。

同工法は、平板の屋根面が水平方向に一直線になるようにするもので、神社や寺院など歴史的建造物の屋根や壁に用いられることが多い。昔ながらのデザインだが、高度な施工技術が必要とされる。経験豊富な建築板金技能士が数多く在籍する同社ならではの技術といえよう。

近年は、主力事業以外の底上げも図っており、建築板金資材の製造・販売にも参入。施工現場で必要とされている資材を自社で加工・製造する。施工業として〝現場の声〟に直接触れ、ニーズを取集しやすい点を生かしている。

今年５月には、金属を折り曲げる最新の「ベンディングマシン」を導入し、スピードの向上とより高精度な加工を可能にした。多様化する顧客のニーズに応え、事業の柱の１つにする計画だ。

また、ガレージや物置、仮設ハウス製造も好調が続く。板金工事で培った技術を生かして完全フルオーダーで対応。一般ユーザーや建設業を中心に好評を博しており、今後はプレハブ事業をさらに拡大させていく。

「各事業分野で技術力の底上げを図ります。常に成長を続ける企業でありたいです」と徳家義従社長は語る。