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玄米酵素グループが自然食普及で多角展開

玄米酵素ハイ・ゲンキシリーズは半世紀を超えるロングセラー食品だ

北海道発の健康補助食品「玄米酵素」の製造・販売を手掛ける玄米酵素グループ(本社・札幌市、鹿内正孝社長)。10月1日に創業52周年を迎える同社では、自然食による正しい食生活の普及に向けて業容を多彩に展開している。半世紀の歩みと幅広い活動の詳細をリポートする。

食事道で多くの人に真の健康を届ける

玄米酵素グループの原点は、自身と家族の健康不安に悩まされていた創業者の岩崎輝明氏が、玄米を発酵させて食べやすくした「玄米発酵食品」の開発に成功したというニュースを聞いたのがきっかけ。開発者で自然食研究家の岡田悦次氏から試作品を取り寄せ食べ続けたところ3カ月後には家族全員が健康を取り戻していた。そこで岩崎氏は岡田氏の協力を得て、食改善の啓蒙活動とともに玄米発酵食品の本格的な製造・販売を開始。1971年10月1日のことだ。

以来、「正しい食生活(食事道)と玄米酵素の普及を通じ、真の健康を届けたい」という理念を掲げ、北海道発の健康補助食品「玄米酵素」を提供。主力商品の「ハイ・ ゲンキ」シリーズの製造・販売に加え、自然食レストランや自然食ショップ「元氣倶楽部」、自然食料理教室「エコロクッキングスクール」、健康保養施設「洞爺健康館」、農業法人「洞爺自然農園」の運営、健康経営の提案、セミナーの開催など、さまざまなアプローチで自然食回帰の啓蒙と普及を続けている。拠点も東京、大阪、 仙台、九州、沖縄など全国規模だ。

また、製造・開発を担うグループ企業の「コーケン」では当別町にISO9001や北海道HACCPを取得した工場を保有しており、高品質で安心・安全の製品を送り出している。

自然食普及に向け多彩な事業を展開

愛食者を拡大するための取り組みも幅広い。

兼ねてより連携を深めてきた医師や医療機関との連携では、1999年に「FBRA(ふぶら)研究会」による医学研究を開始。これまでに、発がん抑制、花粉症などの炎症の抑制など約40本の論文を発表している。こうした背景もあり、玄米酵素商品の取り扱いを希望する医師や医療機関が急増中で、8月末時点で全国で315件に達している。同社では創業55周年となる26年までに1000人規模に拡大すると予想している。

また最近では、シニアだけではなく、30〜40代の美意識が高い層にも人気が拡大。エステサロンやリラクゼーションサロンなどの健康・美容関連店舗での取り扱いも増加している。

22年には海外事業部を発足し、中国マーケットを中心に越境ECをスタート。タイやベトナム、インドネシア、台湾などのアジア各国から取引の要請がある。 

一方「GENMAI Cafe」(大阪市)には、ベジタリアンやヴィーガン食を求める外国人観光客の来店が急増。来客の約半数を占めるまでになった。玄米の有用性や玄米酵素商品を発信するアンテナショップとしての役割も担っている。

デジタルを駆使した普及活動も好調だ。コロナ時にスタートした公式YouTubeチャンネルの登録者数は、昨年比157%の2183人。今年1~7月の再生回数は10万回を超えている。行動制限が解除された後は、食と健康をテーマにしたセミナーやイベントへの参加者数も増加。社員が講師を務める行事の参加者数は、昨年比209%(1~7月累計)と2倍以上の伸びとなっている。

今年6月にはクッキングスクールで、予防医療を実践する医師が監修する新しいコースを開設。医師による動画講義、管理栄養士による調理法の説明、調理レッスンと実食、糖化年齢測定がセットになっている。

また、昨年秋には新感覚の玄米「ハイ・ゲンキの故郷(さと)」の販売を開始したが、今年11月には新品種米を使用した「かなう玄米」の販売も予定する。炊飯器でも手軽に炊け、かつ胚芽が大きく栄養成分が豊富な玄米になっている。

鹿内正孝社長は「玄米酵素とともに玄米食を普及させることで、国民の健康作りと日本の米文化のさらなる拡大につなげたい」と意欲的だ。

同グループでは、21年に創業50周年宣言「玄米酵素人ビジョンNEXT50」を発表している。創業100周年に向けた第2の創業期として「医療」「食」「教育」「農業」「自然」に関する5つの健康事業において目指すべき将来の明確なビジョンを掲げ、着実に歩みを進めている。これらを実現させることが、理念である「国民の健康的な生活に貢献する」ことになる。

兵庫秀幸兵庫内科・肝臓糖尿病クリニック院長(広島市)が監修した料理レッスン

おいしく玄米が食べられる新品種米を使用した「かなう玄米」は11月に本格販売

鹿内正孝社長
創業者の岩崎輝明氏
開発者の岡田悦次氏
大阪市内の「GENMAI Cafe」
自然食料理教室「エコロクッキングスクール」