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北海道ロードメンテナンス

多くの札幌市除雪関係者がデモンストレーションを視察した

より効率的な除排雪を目指し、札幌市に新たな排雪方法を提案

道内最大手の道路維持管理会社である「北海道ロードメンテナンス」。今冬も丁寧でスピーディーな除排雪で札幌市民の生活を守った。受け持つのは札幌駅や大通、ススキノなどの要所がひしめく中央区中地区だ。

札幌市では毎年、除排雪の手法を改善し、効率化を図っている。そうした中、同社も運搬排雪効率化の解決策を打ち出した。それが「一車線後方積みロータリー」だ。

従来の排雪は、ロータリーが路肩の雪を横付けしたダンプに積み込んで次々と運んでいく方式。スピードは早いが、通行止めにしなければならないため、そのほとんどは夜間の作業となる。

一方の「一車線後方積みロータリー」は、雪をベルトコンベヤーに乗せ、後ろのダンプへ積み込む。一車線しか使用しないため、通行止めせずに日中でも作業できる。

米野孝之社長は「従来方式に比べスピードは若干落ちますが、ダンプや運転手不足、働き方改革による労働時間の短縮も重なり、運搬できるダンプの台数も限られています。後方積みはそうした情勢にも沿っていますし、特に中央区中地区においては、通行止めなしで日中に作業できるメリットが大きい」と説明する。

同社が北海道開発局から委託されている国道453号線では、すでにこの後方積みでの運搬排雪を行っており、実績も十分にある。

2月には、札幌市の雪対策室、中央区土木部維持管理課の職員ら関係者を招き、デモンストレーションを行った。

同社の持株会社であるHRMホールディングスの大野晃社長は、「時代や環境に合わせて除排雪のありかたも変わっていくべき。関係者に実際にご覧いただき、具体的に検討しやすくするために実演を行いました。今後もより良い市民サービスにつながる提案をしていきたい」と説明する。

米野社長は「従来方式と後方積みを併用することで運搬排雪の幅が広がります。札幌市でも活用できれば」と意気込む。

 

ベルトコンベヤーで雪を真後ろに積み込む
米野孝之社長