財界さっぽろ 2024年9月号のさわり

財界さっぽろ 2024年9月号

建設・不動産、沿線自治体は必読!新幹線札幌開業はズバリ「6年遅れ」

北海道新幹線 ©財界さっぽろ

 先ごろ、開業延期が正式に発表された北海道新幹線は、建設を行う鉄道建設・運輸施設整備支援機構が表では「数年の遅れ」という曖昧な説明に終始している一方、内部では「6年」の遅れとズバリ示していることが本誌の取材で明らかとなった。2030年度から6年の遅れ、つまり現時点で12年以上後に完成の見込みとなったことで、函館・長万部間の並行在来線問題を始めとする関連課題に対する影響は必至。マンパワーの適時投入による部分開業など“プラス6年”をどうするのかについて、さまざまな可能性を探った。

地元後援会がもてなしたが…総理・岸田文雄が来道、知事・鈴木直道、経済界首脳の冷遇

岸田文雄首相(左)と鈴木直道知事 ©財界さっぽろ

 7月24日、岸田文雄首相が来道。札幌・千歳両市内でそれぞれ視察を行った。国家元首の訪問に対して、第一に出迎え水先案内をするのは通常、知事の役割。だが同日、鈴木直道知事は次年度の予算要望のため、道内経済界の首脳陣と東京に出張中。首相が突然来たわけではなく、事前に日程はわかっていたのだが、鈴木知事は岸田首相を“スルー”したことになる。予算要望の目的は大臣など要人を通じ、岸田首相その人に必要性を理解してもらうもの。鈴木知事による首相への露骨な“冷遇”が露わになった。周辺事情を探った。

【特集】今秋衆院選なら与党5勝7敗 相関図付き!道内全区最新情勢&当落予想

 2024年は世界人口の半分を超える国と地域で国家元首や議会選挙が行われる「選挙イヤー」。日本では昨年末に勃発した与党・自民党の裏金問題が大炎上し、岸田政権の支持率は長期低迷を続けている。

衆院選全区情勢 ©財界さっぽろ

 衆議院の残り任期は1年あまり。その中で来月には自民党総裁選、立憲民主党代表選が行われ、国のトップと野党第一党の顔が決まる。そこで想定されているのが今秋以降の解散総選挙。自民が政権奪還後かつてない逆風にさらされている現時点で、北海道1区から12区の勝敗は与党の5勝7敗。8議席ある比例ブロックも自民が4議席から2議席減の可能性もある危機的状況だ。来る選挙で誰に、どの党に国の将来を託すのか、編集部総力取材の本特集をぜひ参考に。

【特集】続報・ファイターズ二軍移転“てんやわんや”

 北海道日本ハムファイターズの二軍本拠地移転についてさらに深掘りした特集。千葉県鎌ケ谷市にある二軍本拠地の道内への移転を検討している、という一報を当社ニュースサイト「財さつJP」で報じたのが先月7月12日の夕方。翌日朝には道新が急遽朝刊1面に“ねじ込み”、その後一般紙やスポーツ紙が後を追った。

ファイターズ鎌ケ谷スタジアム(千葉県鎌ケ谷市) ©財界さっぽろ

 一方で道内テレビ各局は、HTBが16日に一報を打ち17日にUHB、25日にHBCがそれぞれ報じたものの、NHK、STV、TVhは現在まで一切触れないまま。関係者によれば、報道部門と試合中継などを担当するスポーツ部門で、ファイターズの機嫌を損ねないよう“そんたく”された内容にになっていたという。さらには球団側から“お願い”を受けた――という可能性も。本件に対しては全局とも本誌のほとんどの質問に対して回答を拒否する中、本誌が取材を進めると……。

地下鉄東西線延伸で全連合町内会が結束 手稲区開発“60年の夢”

地下鉄延伸期成会連合会作成のチラシ ©財界さっぽろ

 1964年9月、旧手稲町は札幌市と合併の検討協議会を設立。3年後の67年3月1日に編入された。その際の構想では「全市的な計画に基づき、高速軌道の乗り入れを検討する」と盛り込まれていた。だがそこから60年あまりの間、地下鉄東西線の延伸は果たされておらず、延伸を検討するような動きも「全市的な検討の結果」市役所内にはない。そうした状況に号を煮やした区内の町内会が大同団結、延伸期成会連合会を設立し、一枚岩で市への要望に取り組んでいる。手稲区は人口増や小樽・石狩といった後背地とのアクセス面の強化による産業発展の可能性、さらには周辺地区の新規開発など、検討に値する話が盛りだくさん。そんな地域住民の「60年の夢」の中身を解説する。