【今月号特選記事】あなたの知らない昆虫食の世界

 古来より日本国内では、イナゴの佃煮や蜂の子などを食す文化がある地域もあるが、その「昆虫食」がいま世界中でブームとなっている。

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 2030年には世界の人口は90億人に増加すると予想されており、そう遠くない将来、食糧難に見舞われる危険性が取り沙汰されている。昆虫食はその“救世主”として注目されている。

 その関心の高さを証明するように、札幌市内には昆虫食を販売する自動販売機が続々と誕生している。そのうち3カ所を運営しているのがハシエンダインターナショナル(本社・札幌市)。

 氷室信康社長は昆虫食の魅力をこう語る。

「昨今、世界中でSDGsが叫ばれていますが、昆虫食はさまざまな課題を解決する起爆剤になりえます。とくにコオロギは雑食性のため、人間が廃棄した食べ物をエサとして活用でき、フードロス対策になる。さらに家畜とは違って生育中に二酸化炭素を排出することもありません。食肉と比較しても高たんぱく低脂質で健康食品として高い注目を集めています。省スペースで飼育でき、数カ月で生体に成長するなど低コストで生産できます」

 同社の自販機ではコオロギのほか、イナゴ、ゲンゴロウ、タケムシ、シルクワーム、スズメバチなどを素揚げして販売している。

 コオロギやイナゴはエビなどの甲殻類に似た味で昆虫食初心者にオススメ。一方、味と食感にクセがあるシルクワームや殻が硬いゲンゴロウは上級者向けだという。

 いずれも1袋880円で販売されており、これまでは1台で月に100袋ほどの売れ行きだったが、最近は3日で100袋売れることもあるという。

 今後、危惧される食糧難問題。虫が苦手な人も昆虫食はもうムシできないかもしれない。

 本記事ではハシエンダインターナショナルの今後の展望や、議会で昆虫食の推進を提言している立憲民主党の松山丈史道義のコメントも掲載している。詳細は本誌でご確認いただきたい。

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