ふるさと物語
独自の地域プロモーションで全国からオファーが殺到
地域創生をテーマに自治体や企業、地域の特産物などのプロモーションとブランディングを手がける「ふるさと物語」。
ECサイトやSNSなどを駆使したWEBマーケティングをはじめ、プロスポーツチームとのコラボレーション、タレントやインフルエンサーを起用した短編映画の製作など、多彩な戦略が強みだ。
映画は道内の各地を舞台にした「雪国物語」(2022年公開)を皮切りに、23年は「オホーツク流氷物語」(紋別市)を、24年は「オホーツク流氷物語第二章」(浜頓別町)、「鶴の里物語」(鶴居村)、「恵庭物語」(恵庭市)、「標津物語」(標津町)を製作。さらに九州を舞台にした「火の国物語」も手がけた。
「自治体からは地域興しとして、企業からは特産品の販売や採用の一環としてオファーをいただく機会が増えてきました」と宮成秀治社長。
24年10月には、外務省が世界3都市(サンパウロ、ロサンゼルス、ロンドン)に設置する海外発信拠点「ジャパンハウス」で「ふるさと映画祭」を開催した。会場となったロサンゼルスのジャパンハウスから、日本と北海道の魅力を発信した。さらに12月には、東京で同映画祭を開催。現在はアマゾンプライムでも配信されている。
25年は紋別市の「オホーツク流氷物語第三章」や旭川市での製作が決定。広島県や神奈川県、新潟県など全国で15本以上の映画制作を予定している。
一方、自社の北海道海産物販売事業も堅調で、24年10月には飲食店経営で全国大手のグルメ杵屋(本社・大阪府)が運営する人気ECモール「ときめく!お取り寄せ」から掲載オファーが寄せられた。また、全国の優れた賞品を紹介する「おもてなしセレクション2024」にもエントリーし、自社の「オホーツク ホタテ貝柱」が受賞対象に選出され、12月には表彰式が行われた。消費者だけでなく通販事業者からの評価も高まっている。
また、24年からスタートした新事業「AIコンテナ農業」は、新たな局面を迎えている。
「コンテナ内で行う次世代型水耕栽培を提案しています。LEDが太陽光代わりとなり、照度や温度、湿度、水の循環などの発育管理をAIやモニタリングセンサーが担います。これらは海外製品でしたが、コンテナからシステム設計、運営まで当社含め国内3社で完結できる体制が整いつつある」と宮成社長。