関工業
DX・GX推進で職場環境を改善し効率化を図る
重機に取り付けるアタッチメントは、掘削や運搬、粉砕、切断、整地など多種多様な種類が存在する。
この建設機械アタッチメントを専門に開発・製造しているのが「関工業」だ。農畜産用や林業用など幅広い製品を提供しており、特に除雪関連のアタッチメントは全体の約7割を占め、同社の主力製品となっている。
関浩一社長は「当社は発寒の小さな町工場でしたが業容拡大に伴い、2014年に石狩市新港に拠点を移しました。敷地内での製品保管が可能となり、生産体制を見直しました」と話す。
季節によって需用が変動する除雪関連商品は、受注生産から需要予測して年間生産計画を立てる平準化生産に移行。これにより、稼動率が向上し、生産量の大幅な増加と利益率の改善に成功した。昨年度は除雪アタッチメント「除雪マルチブレード」を過去最高となる600台を製造した。
一方、DXも推進する。
「18年から業界に先駆けて溶接ロボットを順次導入しました。品質の均一化や作業環境の改善、人手不足の解消に寄与しています。今年も新たに1台を導入し、現在は4台の溶接ロボットが稼働しています。さらに、三次元測定機を導入したことで、これまで複数人で行っていた測定作業を一人で迅速かつ正確に完結できるようになりました。生産性が大きく向上しています」と関社長。
また、GXも積極的に推進している。その一例が、エコステージ活動だ。エコステージとは、「一般社団法人エコステージ協会」(東京都中央区)が中小企業に対し、環境に配慮した経営強化を支援する環境経営システムで、取り組みに応じた5段階の認証制度が設けられている。同社では、16年からこの取り組みに参加。環境への対応と企業体質の改善に取り組み、17年にはエコステージI・Ⅱ認証を取得し、19年は道内企業として初めてエコステージⅢの認証を受けた。
さらに、22年には「一般財団法人日本科学技術連盟」(東京都新宿区)から、品質管理の改善が進展している組織に贈られる「日本品質奨励賞・TQM奨励賞」を受賞した。同年の受賞は道内企業で唯一となった。
「今回の受賞はゴールではなくスタートです。当社が掲げる〝お客さまに喜ばれる物づくりに徹し、社会に貢献する〟という理念を体現するためにも、顧客の成功が企業の成功につながるという『カスタマーサクセス』の概念を徹底し、お客さまと社員に寄り添った経営改善をさらに推進します」と関社長。