つうけん
道内初のエレベーター連携ロボットの販売を開始
情報通信設備の設計・施工・保守をメインに事業を展開している「つうけん」。光通信やモバイルネットワークの基地局建設、無電柱化に伴う電線共同溝(CCB)の構築を手掛ける。70年以上にわたり、北海道の通信インフラを支える存在だ。
2010年から情報通信工事の最大手「コムシスホールディングス」(本社・東京都品川区、田辺博社長)の傘下となり、事業基盤を道外にも広げている。
橘川龍也社長は「ネット社会の現代では、社会や顧客が抱える課題は多様化している。当社が長年培ってきたネットワーク構築技術をベースに、近年はICTソリューションの提案とコンサルティングにも注力しています」と語る通り、既存事業のノウハウを生かして、事業領域を拡大している。
その1つが10月から取り扱いを開始したロボット事業だ。AIロボットの開発を担う「エイム・テクノロジーズ」(本社・東京都港区、吉本万寿夫社長)とソフトウエア開発を行う「コムシス情報システム」(本社・東京都品川区、打出邦彦社長)と提携し、道内初上陸となる清掃に特化したロボット「KIRARA(キララ)」、施設案内などに有効な「NAOMI‐2(ナオミツー)」、配膳専用の「AYUMI(アユミ)」の3種のロボットの販売・設置・保守業務と導入コンサルを同社が担っている。
特徴はロボット単体でエレベーターを利用し、複数階に自走して作業が行えること。従来のロボットは単一フロアでの作業が前提だったため、高層ビル、複数回に跨がる飲食店や娯楽施設などでは、物理的に導入台数が増えるといった課題があった。ロボット3機種は専用のソフトウエアを用いてエレベーターと連携することで、こうした課題を解決している。
同社ITビジネス事業部の星政義部長は「対応するエレベーターは国内外メーカーや型式を問いません。すでに複数社からの引き合いもあり、反響は上々です」と語る。
10月25日からは、白石区の同社IT事業部内にショールームを開設するほか、11月7~8日にアクセスサッポロで開催される「ビジネスEXPO」にも出展予定だ。
橘川社長は「労働人口の減少に伴う業務効率化は喫緊の課題です。ロボットに仕事を奪われるという考え方ではなく、ロボットを活用して限られたリソースを有効活用することが、現代における仕事の質を高めることにつながります」と語る。