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北海建工

政府専用機の訓練施設を建設

創業50年を迎え、さらなる躍進。人への投資も推進

 今年で創業50年の節目を迎える「北海建工」。石狩管内を中心に、公共・民間施設の建築や改修工事をはじめ、木造注文住宅の設計・建築、改修など、建設事業を幅広く手掛ける。

 元来は大手建設会社の下請けをしていたが、3代目の近藤充社長が就任した2016年以降に、元請けへの転換を図った。

「元請けとして安定した受注を保つには、自治体が定める就業認定や社会貢献活動などの実績が必要です。就任以降、全社一丸となってさまざまな取り組みを進めていきました」と近藤社長は語る。

 現在では自治体や官公庁からの発注が7割を占めており、公営住宅や公立高校の大規模改修工事のほか、航空自衛隊からの発注で政府専用機の内装を再現した実習場の建築なども行った。

 発注者からの信用を勝ち取った要因に、同社の綿密な施工計画がある。着工前の計画立案と竣工後の検証を実施。着工前は現場の条件やデータなどに基づいて、作業内容や手順を策定して工事に着工。竣工後は策定した手順が最適だったか、正しく運用できたかなどを全社員で検証して施工品質の向上に努めている。

「工事現場におけるPDCAサイクルを実践し、施工品質の向上につなげています」と近藤社長。

 売り上げも堅調に推移。24年9月期決算は、売り上げと利益ともに前年越えを見込んでいる。

 元請けに転換を図った理由を近藤社長は「利益率を高めて、社員への還元を図るためです。人手不足や建築資材の高騰などを背景に各社が生き残りをかける中、当社の最大の財産である社員の定着と採用の強化が必要と考えました」と語る。

 その施策として、2年前からベースアップを実施。利益率を高めたことで原資を確保し、給与水準を大手ゼネコン並に引き上げた。

 また、資格取得支援や社内外の講習会への参加、女性社員の積極採用なども図るなど、未経験や資格の有無、性別を問わず誰もが活躍できる職場環境の構築にも注力している。さらに近藤社長は「当社は石狩管内の仕事に特化しています。転勤がなく札幌圏内で就業したいというニーズにも応えられる」と語る。

 今後の展開を近藤社長は「当社の独自性といえる〝人への投資と施工品質の向上〟を継続し、業界の発展に寄与したい。社員と地域社会に貢献できる会社を目指します」と語る。

若手社員も多く活躍している
近藤充社長