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成田屋

大規模修繕工事部門を統括する石松義章部長(左)と道内の足場施工部門を統括する佐野雅樹専務(右)。中央は成田敦社長

足場資材のレンタルと施工で道内事業を拡大中

 2011年に神奈川県で創業した「成田屋」。クサビ式足場を核に事業を展開しており、レンタル・販売から足場の施工、修繕工事までを手掛る。現在は東京都に本社を置き、北海道を含め全国6拠点体制を敷く。 

 とくに好調なのが足場資材のレンタル事業。関東や東北、中国地方をメーンに事業を展開しており、足場施工の大手企業なども顧客だ。年間売り上げの約半分を占めるなど、同社の屋台骨とも言える。

 北海道に進出したのは13年から。本州との物流拠点である苫小牧市でスタートした。成田敦社長は創業前の14年間、札幌でいろいろな業種を経験。なかでも、クサビ式足場の道内最大手であるセーフティーステップ(本社・札幌市)では、新規事業の立ち上げやM&Aの推進、施工部門の所長として勤務した経歴を持つ。道内建築業界に精通していたこともあり、創業2年で進出に踏み切った。

「セーフティーステップさんで学んだことが経営の役に立っており、高木茂光社長には尊敬と感謝しかありません」と成田社長は振り返る。

 14年には室蘭市で足場施工部門を立ち上げ、19年に札幌市にレンタル機材センターを開設。20年には施工部門を独立させ、新会社「リプロ」(苫小牧市)を設立している。

 リプロの顧客は約300社にのぼり、クサビ式足場施工で胆振地方屈指のシェアを誇る。現在は札幌圏での受注も増加しており、事業エリアは拡大中だ。

 マンションなどの大規模修繕工事に参入したのは21年。資材レンタル・販売の企業が大規模修繕工事を手掛けるのは稀。関東圏をメーンに、道内での受注も増やしている。

「クサビ式足場を利用する建設業種には必ず当社が活躍できる可能性がある。足場資材の用意から施工、修繕工事に至るまで、ワンストップで対応する独自性は当社の強みになると考えました。拠点がある広島県でこのモデルを事業化させます」(成田社長)

 一方で、さらなる業容拡大も視野に入れている。今後は解体や防水、塗装などの企業を候補にM&Aを積極的に行っていく計画だ。

 成田社長は「当社のビジョンは〝人が生行(いきゆ)く場所の進化、再生をみんなと共に!〟です。北海道の皆さんと共に進化、再生に貢献していきます」と力を込める。

上空から撮影した札幌ヤード
成田敦社長