H.Eグループ
再エネ事業が好調。福祉や食育事業も拡大
「H・Eグループ」は6社から構成される持ち株会社。環境・経済・社会をテーマに各社が事業を展開している。急成長を遂げており、2024年3月期で9期連続の増収増益を達成した。
グループをけん引するのが太陽光発電事業の「H・Eエナジー」。クリーンエネルギーの普及によるカーボンニュートラル構想を掲げており、野立て太陽光発電施設の施工販売数は年間150件以上と、道内トップシェアを誇る。
現在は大手企業との共同事業が進行中だ。昨秋から伊藤忠エネクス(東京都千代田区)とともに、コープさっぽろ(札幌市)が進める「太陽光発電による全店舗への電力自己託送のプロジェクト」に参画。太陽光発電所の土地取得から建設までを道内200カ所で担う。
道外での動きも際立つ。近年は関東や東北での受注も増加しており、23年2月には宮城県仙台市、12月には東京都千代田区へ立て続けに支店を開設。活動のフィールドを広げている。
一方で、瀬尾浩史社長は「再生可能エネルギー事業のほかにも福祉、農業、食育関連事業の底上げを推進しています」と語る。
なかでも好調なのが食品卸・加工事業の「H・Eフードウェイズ」だ。昨年10月には、シンガポールで国内大手雑貨販売企業とのコラボ商品の販売をスタートした。
同商品は野菜のレトルト商品で、道内の生産者と連携し、道産食品の輸出拡大にも寄与している。今秋にはこれをモデルに、国内大手ドラッグストアとのコラボ商品のリリースも控えている。
さらに、新事業へも参入。昨年10月に高級居酒屋「灯(ともしび)」を札幌市のススキノにオープンした。〝完全個室〟〝道産食品の使用〟の2つをコンセプトに掲げ、秋には同コンセプトのしゃぶしゃぶ店の開店も予定している。
グループホームの運営をメーンとする福祉事業の「H・Eウェルネス」でも新たな事業が始動した。今年6月に、同社初となる就労支援施設を札幌市豊平区に開設。主にH・Eフードウェイズの商品加工を手掛けていく。
「食品事業は輸出販路の拡大、福祉事業は高齢者住宅の開設が当面の目標です。再生可能エネルギー事業を軸に幹を太くしていきます」と瀬尾社長。