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鈴久名建設

2023年度「大林組林友会教育訓練校」での活動のようす

「若手育成」「業界の底上げ」「待遇改善」の3分野を推進

「鈴久名(すずくな)建設」は、とび・土工工事一式を担う。大林組(本社・東京都港区)の道内案件の一次下請けをメーンで70年以上務める道内大手として知られている。2026年には創業100年の節目を控える老舗企業だ。

 業績は好調が続く。直近でも恵庭市で、5万平方㍍の大型物流倉庫のコンクリート工事を完遂した。

 25年以降の受注も進んでおり、札幌市中心部の再開発にともなう商業施設の建設、北海道ボールパーク(北広島市)周辺の開発事業への参画も予定している。なかでも、北広島市の開発工事は数年続く大型案件だ。 

 同社を率いる鈴久名将社長は38歳と若い。道内における大林組協力会社の若手で構成される「大林組札幌林青会」の会長も務めており、業界に新風を吹き込むために日々奮闘している。

 例えば、大林組と共同で行う「NGFプロジェクト」を推進もその1つ。若手の定着や育成を目的としたもので、若手を中心に現場の環境や働き方について話し合い、改善と経験を積ませるもの。元請と連携し現場で実践的に若手職長を育成する試みだ。

 鈴久名社長は「現場で『明日は休む』という意思表示のヘルバンドをつけて、周囲へ周知する取り組みも始めました。休みを申請しづらいと感じる若手にも遠慮無く休んでもらうためです」と話す。

 一方で、土工業界の地位向上にも奔走する。今年5月には「北海道建設躯体工事業協同組合青年部」の会長に就任。厚労省認定の「日本躯体コンクリート打込み・締固め工社内検定」を6月22、23日に道内で初めて実施した。

「土工作業の重要な役割や魅力を発信し、認知を深めることで人材を確保するとともに、業界の待遇改善も図っていきたい」と鈴久名社長。

 

鈴久名将社長
〝明日はデート〟などメッセージが入ったヘルバンドを活用